長時間続く「津波情報」 状況や推移をきめ細やかに伝える新たな情報提供を検討 気象庁
大規模地震によって発生する津波は減衰までに時間がかかるため津波情報が長時間継続します。気象庁は、検討会を立ち上げ、時間経過に応じて津波の状況や推移などを伝える新たな情報提供について本格的な検討を始めました。 気象庁は2011年の東日本大震災など過去の災害の教訓をふまえて、津波に関する情報の伝え方について改善を進めています。 大規模地震による津波では時間が経過したあとに津波の高さが最大となる場合があるほか、津波が減衰するまでに時間がかかります。 長時間にわたって津波情報が継続することで自治体などがおこなう避難など防災対応も長く続くことになりますが気象庁の出す津波警報などの津波情報では直後に発表したあとは津波の観測情報や警報や注意報の切り替え以外は、解除されるまで途中経過の状況を伝える情報がないことなどが課題だとされてきました。 25日から始まった検討会で、気象庁は、人命救助活動など防災対応の支援を目的に津波が減衰する段階に入ってから津波の状況や推移をわかりやすくきめ細やかに伝え、津波警報などの解除に向けた見通しの情報を提供する案を示しました。 これに対し、防災情報の専門家や自治体の担当者からは、津波警報や注意報などで避難を呼びかけている最中に、逆に住民が安心情報と受け止めてしまうおそれがあるとして慎重な検討が必要などという意見が出ました。 気象庁は議論を進め、来年3月に報告書案をまとめることにしています。