ホテル阿寒湖荘31日閉館 90年の歴史、施設老朽化で幕
阿寒リゾート(松岡照幸社長)が運営する「ホテル阿寒湖荘」(北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉1)が31日、閉館する。90年の歴史を誇る老舗ホテルで、閉館は施設の老朽化が主な理由。土地建物は売却を検討している。 阿寒湖荘は故吉島力氏が1933年5月に創業。昭和天皇、皇后両陛下が宿泊したほか、著名人も利用した歴史を持つ。経営権は旧三井観光開発などの会社を経て、94年に阿寒ロイヤルホテルとホテル御前水を運営する阿寒ロイヤルグループ(同社長)が買収し、3館によるグループ経営を本格化させた。2007年に阿寒ロイヤルホテルと関連会社の阿寒総合開発が民事再生法適用を申請し、その受け皿として同社が設立され、経営を引き継いだ。 建物は1965年に新築され、75年に増築。敷地面積は約1125平方㍍で建築面積約2094平方㍍、延面積は約7168平方㍍。鉄筋6階建て。客室97室。従業員数はパートを含め30人。 閉館について松岡睦典副社長は「施設の老朽化が大きな理由。また、新型コロナの影響もあり、昨年は収益が上がったが、コロナ明けの集客も難しいと判断した」と語った。「現在、4月以降の予約については事情を説明しお断りをしている」とし、「従業員には2月25日に閉館することを伝えた。4日から個人面談し、今後の引受先についての相談も受ける。グループ 会社のホテル御前水のほか、温泉街のホテルにお願いしたいと思っている」と話す。同社は「阿寒湖荘」のほか、同地区の各ホテルに勤める従業員など向けの寄宿舎事業として「阿寒ロイヤルコート」を運営している。
釧路新聞