よくわかる「ポイント経済圏の歴史」。Tポイントはなぜ、Vポイントと統合したの?
2019年8月より、Yahoo!ショッピングのキャンペーンなどでたまるポイントが期間固定Tポイントから同じグループ会社のPayPayに切り替え、Tポイントとヤフーの連携が崩れはじめます。
同じく劣勢だったPontaポイントは2020年5月にauと提携。au WALLETポイントからPontaポイントに切り替わり、ポイントの原資を得たPontaポイントは一気に復活しました。
Tポイントが選んだ道~すべてはポイント経済圏に
一方のTポイントは、Yahoo!ショッピングでのポイントサービスが2022年3月で終了するなど、どんどん不利な状況に。Yahoo!ショッピングは同じグループ会社のPayPayを採用し、ソフトバンクも同じくTポイントの付与を終了しソフトバンクポイントに変更。ソフトバンクポイントはPayPayポイントに交換できます。
圧倒的不利になったTポイントが選んだのが、SMBCグループのVポイントとの統合です。Vポイントは2020年6月に三井住友銀行と三井住友カードのポイントを統合したポイントとなり、SBMC日興証券やプロミスでもポイントがたまりますが、知名度がイマイチ。
一方のTポイントは知名度抜群ですが、ポイント原資がなく、不利な状況から脱却できません。その2つのポイントが2024年4月に統合する事で、Pontaポイント、楽天ポイント、dポイント、PayPayポイントと戦う土台ができあがると言うわけです。
それぞれの経済圏では、強み・弱みがあり、弱い点を強化するためにサービスを拡充したり、他社と提携したりしているのが現状です。
楽天が発表した楽天ペイに楽天ポイントカード・楽天Edyを統合するのも、コード決済をより強化するため、ドコモがマネックス証券を傘下にするのも金融サービスを強化するためとなり、全てがポイント経済圏争いに繋がっているのです。
菊地崇仁
ポイント交換案内サイト「ポイント探検倶楽部」を運営する株式会社ポイ探の代表取締役。さまざまなポイントやカード情報に精通し、テレビや雑誌等で活躍中。著書に『新かんたんポイント&カード生活』(自由国民社)等がある。