「野球で経験した最高の瞬間の1つです!」独立リーグ・香川時代の濃厚な経験/元オリックス・マエストリ「カルチョの国から」02
日本のやり方を尊重して
香川で過ごした3カ月間は間違いなく、私が野球で経験した最高の瞬間の1つです! なぜなら、3カ月間で文化や言語の違いに順応できただけでなく、ファンやチームメート、スタッフなど、日本人の皆さんとの絆を深めることができ、またその経験が、その後の日本での生活に対する不安を払拭してくれたからです。 香川の監督だった西田真二さんとの出会いも本当に素晴らしく、彼は面白い人柄なのに常にエネルギーに満ちあふれていて、選手たちの能力を最大限に引き出すことができる方でした。実際、チームは本当に強く、素晴らしい雰囲気の中、シーズン前半を優勝で折り返すことができました。 その後、運良くオリックス・バファローズと契約し、神戸に移動することになりますが、3カ月しかいなかった香川を離れるときには、自分が以前からずっとここにいたような気分になりました。 私はすぐにほかの日本人選手と同じように、練習や試合で大声で叫んでいましたし、彼らのやり方を尊重し、本当に早く日本の、香川の生活に溶け込めていたんだと思います。のちにオリックス・バファローズや群馬で5年もプレーすることができましたが、間違いなく香川での濃厚な経験があったからこそで、今でも本当に感謝の気持ちでいっぱいです! PROFILE アレッサンドロ・マエストリ●1985年6月1日生まれ。イタリア出身。2005年に開催されたMLBヨーロッパアカデミーの1期生。06年の第1回WBCのイタリア代表に選出され、その後カブスと契約。4年間のマイナー生活を送るも2Aで終わる。アメリカ独立リーグ、オーストラリア、四国ILの香川を経て2012年途中にオリックス入団。NPB史上初のイタリア生まれ、イタリア育ちの選手の誕生となった。オリックスには15年まで在籍。NPB通算96試合登板、14勝11敗1セーブ2ホールド、防御率3.44。16年以降は韓国、BCリーグの群馬などでプレー。2020年に現役引退。3月に「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2024」で侍ジャパンと対戦する欧州選抜の投手コーチを務める。
週刊ベースボール