DeNA・山本祐大、独立リーグ出身初の受賞「一番取りたかったタイトル」 球団捕手では98年谷繁以来/第53回三井ゴールデン・グラブ賞
守備の名手に贈られる「第53回三井ゴールデン・グラブ賞」の受賞者が12日、発表された。セ・リーグ捕手部門でDeNA・山本祐大(26)が独立リーグ出身者として両リーグの全ポジションを通じて史上初の受賞となる快挙。両リーグ通じての最多得票は、セ・リーグ二塁手部門での巨人・吉川尚輝内野手(29)の232票だった。表彰式は28日に東京都内のホテルで行われる。 【写真】度会隆輝と談笑するDeNA・村田修一コーチ「久しぶりに青いユニホームを着られてうれしい」 リーグ3位から日本一に昇り詰めたチーム同様、DeNA・山本にとっても〝下克上〟での初受賞となった。 「僕が一番取りたかったタイトルだった。投手の方々はもちろん、野手の方々、これまで指導していただいた全ての方々に感謝しつつ、来年はより進化した姿を見せられるように頑張りたい」 独立リーグ出身者がゴールデン・グラブ賞を獲得するのは両リーグ、全ポジションを通じて史上初の快挙となった。山本は京都翔英高で2016年夏の甲子園に出場。ただ、正捕手兼4番は同年ドラフトで楽天に指名された石原彪で、自身は中堅を守った。 卒業後は独立リーグの滋賀ユナイテッドBCに進み、18年ドラフトでDeNAの9位指名、支配下選手では最後となる82番目の選手として入団。プロ7年目にして勲章を手にした。球団の捕手では98年の谷繁元信以来、26年ぶり2人目ともなった。 今季は「打てる捕手」として自己最多108試合に出場し、打率.291。それでも9月15日の広島戦で死球を受けて右手首を骨折して離脱したことで、「最終的に目指すのは143試合を走り切った先にある優勝キャッチャー」と言い切る。 成長著しいリード面の一方で、盗塁阻止率は.352と上々の数字ながらリーグ4位にとどまった。「この賞を何年も続けて取れるような成績を残して、チームに貢献していきたい」と、〝最強捕手〟としての未来を見据えた。(東山貴実)