新興国の債務再編巡る見直し、喫緊の課題-中国の台頭で交渉複雑化
債務再編は常にIMFや国債、民間投資家を巻き込む複雑なプロセスとなる。歴史的に大半のデフォルトに関わってきた商業銀行と外国政府は交渉を合理化するために、それぞれロンドンクラブ(民間債権者会議)とパリクラブ(主要債権国会議)に束ねられている。
しかし今、こうした債権者グループはウォール街と中国によって交渉からはじき出されようとしている。ウォール街と中国はデフォルトした債務の半分以上を保有し、取引を拒否する力を持つ。
共通枠組みは、各債権者グループが均等に負担を分かち合うことを保証しようとするもので、つまり債券保有者は、例えば中国の銀行とほぼ同じ損失を被ることになる。ただ、各グループは個別に交渉し、他のグループがどのような取引に取り組んでいるのかほとんど把握できず、プロセスが不透明だ。
IMFと世銀のエコノミストだったデービッド・グリゴリアン氏によると、「10人から成るグループと2時間あれば合意に達することができるかもしれないが、全員が別々の部屋で交渉するというような状態になっている」という。
原題:Pressure Mounts at IMF Against Blueprint for EM Debt Reworks (1) (抜粋)
--取材協力:Zijia Song、Augusta Saraiva.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Ezra Fieser, Eric Martin