お盆明けは退職の山場? 代行会社が約1万6000人の“本当の退職理由”を公開 正しい同調圧力につながるか?
退職代行モームリが公開したデータによると、モームリを利用した理由の1位は「上司から各種ハラスメントを受けている」、2位は「上司から退職を止められている」であり。モームリを利用した年齢層については20~30代で8割を超えるという。 明星大学心理学部教授で臨床心理士/公認心理師の藤井靖氏は退職代行について「このような会社の存在と利用者の増加は社会が良い方向に進んでいる証だ」として退職代行の存在意義について3つの項目に分けて話した。 「まずは『形だけコンプラ社会へのアンチテーゼ』だ。現状は『形だけコンプラ社会』であり、実際にモームリのデータにおいても退職理由の1位はハラスメントだ。もちろん、ハラスメントは“受ける側の取りよう”であるため『客観的に見たらどうか』は別の話だが、私がカウンセリングしてる中でハラスメントという言葉自体は市民権を得たが、ちゃんと対応されていないことの方が圧倒的に多い。例えば、管理職層で多いのは、ハラスメントの事実に向き合わずに別の論点にすり替えて処理しようとすることがあったり、あるいはハラスメントを訴えた人が“面倒臭い人”として責められたり不利益を被るなどの現実が多くあり、退職代行という仕事はそんな社会に対するアンチテーゼを示す機能も大きいと思う」 「次は『早期の再チャレンジ促進』だ。退職は心身ともに多大なエネルギーを使うことが少なくないが、無駄に使うことなく次のキャリアに繋げるべく、力を別のことに注げることは大きい」 「最後は『正しい同調圧力の使い方』だ。“日本人ならでは”でもあるが、今回のようなデータが示されることで、企業が自分たちの身の振り方を変えていくきっかけになればいい」 一方で、一部の人達からは「ちゃんと仁義を切ってない」などと責める声もあるかもしれない。 これに対して藤井氏は「若い世代も『辞めていいのかな』『ちゃんと言わなきゃいけないかな』などと気にしている。それに対して『ちゃんとやるべきことがあるだろ!』などという声があるからこそ、退職代行というサービスが必要なのだ。既存の企業風土は簡単には変わらない」と述べた。 (『ABEMAヒルズ』より)