中谷の勝利に「感動した」と言いながらも青木の不満の理由は……

　2024年3月15日（金）、ABEMAにて『格闘代理戦争-THE MAX-』1回戦が放送された。 【写真】秋山の左小指の大きな指輪をいじった青木 　9人の監督が推薦する若手8選手がトーナメント形式（※準決勝組み合わせも抽選）で戦い、優勝賞金300万円をかけてしのぎを削る同番組。 　1回戦は、上限69kgのキャッチウェイトで、3分3R制で行われた。 　小さ目のケージで戦うため、ストライカーにとってはステップが使いにくく、相手を詰めやすいとも言え、またグラップラーにとってはケージに詰めやすいものの、1R・5分ではない3分のなかで極め切る難しさもある。 　そんななか1回戦は、4試合中3試合が1R決着というフィニュシュ率の高い試合となった。 　第1試合では、岡見勇信＆中村倫也が推薦する『格闘DREAMERS』出身の中村京一郎（EX FIGHT）が、プロMMA4勝1敗・4連続1R KO中の実力通りの強さを見せた。 　BreakingDownでも活躍した秋山成勲推薦のミスター・ホンデを、狙いすましたカウンターの左ストレートでダウンさせてパウンドアウト。非公式試合ながら、5連続1R KO勝ちで、準決勝進出を決めた。 　第2試合では、青木真也推薦の中谷優我（BRAVE GYM）が、田嶋椋推薦で一般応募枠の松岡拓（OOTA DOJO）を、柔道ベースとBRAVE GYM仕込みの組み力でねじ伏せて、判定勝ち。闘魂タオル販売もとの社長の御曹司の中谷は、幼少時からアントニオ猪木に闘魂ビンタを注入され、青木とはIGFの大会で繋がったという。 　第3試合は、クレベル推薦のギレルメ・ナカガワ（ボンサイ柔術）が、鶴屋怜推薦のストライカー諸石一砂（THE BLACKBELT JAPAN）をテイクダウンから、クレベル仕込みの三角十字に極めて、40秒一本勝ち。アマチュアMMA戦績を11勝（9フィニュシュ）無敗とした。 　第4試合では、2023年のIBJJF主催柔術世界選手権・ムンジアル茶帯フェザー3位で、KRAZY BEEで山本“KID”徳郁、美憂らの寵愛を受けたトミー矢野がイゴール・タナベ推薦選手として登場。平本蓮推薦の極真出身、剛毅會・T-Grip Tokyo所属のストライカー向坂準之助を1R、テイクダウンからマウント奪取のパウンドで仕留め、極めを温存しての1回戦突破となった。 　本命視されている5連続1R KOの中村京一郎、青木推薦のケージグラップラー中谷優我、そして強豪柔術家のトミー矢野、ギレルメ・ナカガワの4選手が勝ち上がった1回戦。 　試合後のケージ上で準決勝の組み合わせ抽選会が行われ、下記のカードが決定した。 ▼準決勝 中谷優我（TEAM青木真也） トミー矢野（TEAMイゴール・タナベ） ▼準決勝 中村京一郎（TEAM岡見勇信＆中村倫也） ギレルメ・ナカガワ（TEAMクレベル・コイケ） 　フェザー級の中村vs.ギレルメの試合と、ともにライト級の中谷vs.トミーの試合となった準決勝の契約体重、試合時間はどうなるか。 　前日計量後に抽選があった1回戦と異なり、次回は1カ月後の4月19日の準決勝まで、対戦相手の対策を練って臨むことになる。 　試合後のケージ上でもコメントに加え、勝者と監督のバックステージインタビューをお届けしたい。 ◆もうちょっと面白いことに真面目になれ 　中谷の監督の青木は、対戦相手が柔術強豪の矢野となったことについて、ケージ上で「楽勝ですね」と一言で打ち切り、矛先をほかチームに向けて、「平本さんと秋山さん負けて、イモの勢ぞろい。華があるのはラウンドガールくらいだよ」と毒づいた。 　試合直後には監督降板も示唆したが、バックステージの囲み取材では、「続けるかどうかは分かんないです。とにかく……選手も監督も全員ダメじゃん。勝つことしか考えてなくて、仕事になんない。『嬉しいです』の先があるでしょ。その裏があるでしょ。お粗末です。中村＆岡見、クレベル、イゴール、誰か見出し作れるのか。もうちょっと真面目に、面白いことに真面目になれ。みんな不真面目」と、番組として煽りが足りないとした。 　それでも、泥臭い試合運びで1回戦を突破した中谷については、「（「負け確定」から勝利し）“よくやった”それしか言えないじゃないですか。普段の練習を見たら裏切られました。試合は満点じゃないですか。競技としては素晴らしいと思う。それは認める。彼自身は問題ない。本当に感動しました」と高く評価。 「でもとにかくほかがダメ。話になんない」と再び出演者にダメ出し。 　中谷は、「難しいです。チームなのかもよく分かってないですし、僕は。練習で会うたびに話しかけに行きたいと思います」と語ると、青木は「練習場所には一緒にいることはあると思います。それは彼が勝手にやることだから。俺が『やってくれ』と頼むことじゃないから。（中谷から「大好きです」と言われたが？）番組が始まってから嫌な思いをいっぱいしてるから、始まってから嫌いになったと思う。すなわち、もう“お客さん”じゃないし、フェアに向き合えているということです」と、選手として見ていると答えた。 　そこに満足することなく中谷は、「（「感動した」と言われたが？）『感動した』のトーンが違うと思います。足りない、というかまだまだ……」と自己評価は低く、「厳しくて怖くて。まだまだ一緒に出来たらと思います」と青木の続投を希望。「自分にとって下剋上のトーナメントになるので、一つひとつ勝っていきたい。このトーナメントでもっと成長していきたい」と意気込みを語っている。