インバル・ピント演出の舞台「未来少年コナン」開幕、コナン役・加藤清史郎「僕は駆けます」
「舞台『未来少年コナン』」が、昨日5月28日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスで開幕した。 【画像】舞台「未来少年コナン」より。(撮影:田中亜紀)(他13件) これは、宮崎駿監督のテレビアニメーションシリーズ「未来少年コナン」を、伊藤靖朗の脚本、インバル・ピントの演出・振付・美術、ダビッド・マンブッフの演出、阿部海太郎の音楽、大崎清夏の作詞で舞台化するもの。出演者にはコナン役の加藤清史郎、ラナ役の影山優佳、ジムシー役の成河、モンスリー役の門脇麦、ダイス役の宮尾俊太郎、レプカ役の今井朋彦、おじい・ラオ博士役の椎名桔平らが名を連ねている。 開幕に際し、ピントは「宮崎作品の舞台化に向けて心血を注いでくれる才能溢れるアーティストらと共に、長い時間をかけて稽古を重ねる機会に恵まれました。献身と、想像力への言祝ぎと、コラボレーションの賜物である舞台というクリエイションを通じて、世界にポジティブな変化をもたらすことを願う人間の無限の可能性を伝えるこの豊かな世界が、観客の皆様にも広く届くことを願ってやみません」とコメント。 加藤は「今の僕の心中を言語化するなら、まさに“バクバク”です。この『未来少年コナン』が皆様のもとにどのように届き、この世界をどのように体感していただけるのか。ドキドキしていて、そんな中でもほんの少しだけワクワクしていたりもして。拙い文章ではありますが、これが、今このタイミングの僕の素直な心持ちです。終演後、今を生きる皆様の中のどこかで、『未来少年コナン』とコナンが息をしていますように。僕は駆けます」と思いを述べた。 上演時間は、休憩含む約2時間55分で、東京公演は6月16日まで。その後、6月28日から30日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも上演される。ピントの全文コメント、マンブッフ、影山、成河、門脇、宮尾、今井、椎名のコメントは以下の通り。 ■ インバル・ピント コメント 多層的で幻想的で、多くのメッセージを備えた、一言では言い表せない魅力的な扉を開いてくれた宮崎駿監督の作品世界に、私は長年、引き込まれ続けてきました。 舞台はアニメーションとは異なる芸術形態であるため、原作をなぞることはできません。 我々の使命は、舞台ならではの「未来少年コナン」を創作することでした。 宮崎作品の舞台化に向けて心血を注いでくれる才能溢れるアーティストらと共に、長い時間をかけて稽古を重ねる機会に恵まれました。献身と、想像力への言祝ぎと、コラボレーションの賜物である舞台というクリエイションを通じて、世界にポジティブな変化をもたらすことを願う人間の無限の可能性を伝えるこの豊かな世界が、観客の皆様にも広く届くことを願ってやみません。 ■ ダビッド・マンブッフ コメント 「未来少年コナン」と出会った瞬間、その物語と登場人物の虜になりましたが、それ以上に、この作品が提示するテーマの現代性や昨今の社会課題との共鳴性に衝撃を受けました。 冒険、旅、アクションに溢れた26話のシリーズを3時間の舞台に収めること自体、相当なチャレンジです。しかし本プロジェクトの強みの一つは、TVシリーズにできる限り忠実であろうと試み、この普遍的な物語を独自の方法で伝えるべく、あらゆる部署が協力を惜しまなかったことにあります。 コナンの冒険譚に馴染みのある人であれ、この素晴らしい世界に初めて足を踏み入れる人であれ、観客の皆様、特に若い世代の方々とこの作品を共有できることに非常にワクワクしています。私たちに多くのことを教えてくれる意味深い物語であると信じている本作が、一人でも多くの人に届くことを願ってやみません。 ■ 加藤清史郎 コメント 今の僕の心中を言語化するなら、まさに“バクバク”です。この「未来少年コナン」が皆様のもとにどのように届き、この世界をどのように体感していただけるのか。ドキドキしていて、そんな中でもほんの少しだけワクワクしていたりもして。 拙い文章ではありますが、これが、今このタイミングの僕の素直な心持ちです。 終演後、今を生きる皆様の中のどこかで、「未来少年コナン」とコナンが息をしていますように。僕は駆けます。 ■ 影山優佳 コメント 今回、長年愛されている「未来少年コナン」という作品に出会えたこと、そして素敵なカンパニーの皆様とご一緒させてもらい、同じ舞台に立たせて頂くこと、光栄に思っています。 ラナは強くて儚くて、芯がある女の子で、このキャラクターに何度助けられたか。。そして挫折と発見の日々のなかで、カンパニーの皆様に助けて頂いて今日まで来ました。 明日からはラナとして、助けられてきた役に乗っかって、お客様には生きる希望を持って帰ってもらえるように。楽しみにしていただけたら。 ■ 成河 コメント ついに初日を迎えられる事を嬉しく思います。インバル・ピント×未来少年コナン、稀代の美術家であり、シアター・メイカーであるインバルの描く「未来少年コナン」は、アニメーションと演劇体験の奇跡的な融和を果たしています。ご覧になった方々それぞれに、忘れられない一瞬が訪れますように。原作をご存知の方もご存知でない方も、きっとこの「インバルの描く絵」に夢中になって貰えると思います。劇場でお待ちしています。 ■ 門脇麦 コメント インバルの自由な創造は、私の知っている世界よりもちょっぴり曖昧で大胆で、その世界を作るには膨大な素材、そして抽象的だからこそ、どのテンションで舞台を作っていくことが良い選択なのかの判断が難しく、稽古場はいつもあっという間に時間が経ってしまいます。 しかし小屋入りして数日経ちましたが、私は何度、あまりの美しさに驚き、ときめいていることか! やっぱりインバルが作る世界が私は大好きで、どうしたってドキドキさせられます。課題は山積みですが、皆様にもたくさんの宝物のような瞬間が届きますように。劇場でお待ちしております。 ■ 宮尾俊太郎 コメント アートと、ファンタジーが、リアルになろうとしている──。 我らの最後の息吹が吹き込まれたこの作品が、どう昇華されていくのか──、楽しみです。 誰しもが、人生の潮目が変わる瞬間に出くわすことがあると思いますが 僕も今、運命の岐路に立っているのだと。それをビシビシと感じています。 劇場で、お待ちしております。 ■ 今井朋彦 コメント 舞台づくりというのは、答えを見つけることではなく、試し続けることなのかもしれません。行く手にいくつもの道があり、どのルートを進むのか、試しては戻り、また違う道を行く。そんなことをひたすら繰り返してきたのが、今日までの道のりでした。進んできた道がどんな道なのか、いまどの辺りにいるのか、私たちにも正確にはわかりません。でも作品という「山」を登ってきたことは確かです。劇場にお客様を迎えたとき、そこではじめて見える風景、それが私たちの現在地なのだと思います。 ■ 椎名桔平 コメント 舞台「未来少年コナン」の稽古が終わり、いよいよ初日を迎える事となりました。インバル・ピントさんとダビッド・マンブッフさんが創り出す世界観は、今を生きる私たちに、希望と勇気、そして大いなる警鐘を伝えてくれるに違いありません。観客の皆様に、この舞台の持つ独自の趣と美しさを御堪能頂ければ幸いです。 ■ 舞台「未来少年コナン」 2024年5月28日(火)~2024年6月16日(日) 東京都 東京芸術劇場 プレイハウス 2024年6月28日(金)~2024年6月30日(日) 大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ □ スタッフ 原作:日本アニメーション制作「未来少年コナン」(監督:宮崎駿 / 脚本:中野顕彰、胡桃哲、吉川惣司) 脚本:伊藤靖朗 演出・振付・美術:インバル・ピント 演出:ダビッド・マンブッフ 音楽:阿部海太郎 作詞:大崎清夏 □ 出演 コナン:加藤清史郎 ラナ:影山優佳 ジムシー:成河 モンスリー:門脇麦 ダイス:宮尾俊太郎 ルーケ ほか:岡野一平 レプカ:今井朋彦 おじい / ラオ博士:椎名桔平 ダンサー:川合ロン / 笹本龍史 / 柴一平 / 鈴木美奈子 / 皆川まゆむ / 森井淳 / 黎霞 / Rion Watley ミュージシャン:トウヤマタケオ / 佐藤公哉 / 中村大史 / 萱谷亮一 / 服部恵 ※宮崎駿の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。