楽天、マー君、決断は早くして!
日米で新ポスティングシステムが締結されたことで、メジャーの各球団から一斉に「楽天とマー君は一日でも早く決断を!」という声が上がっている。 [表]田中将大の入札が予想される球団
実は、新ポスティングがなかなか決まらなかった裏には切実な問題が起きていた。米FA市場の停滞だ。ローテーション投手を補強ポイントに上げている各球団は、現状のFA市場に手を伸ばすことを控え楽天・田中将大選手の去就を見守っていたのである。 新ポスティングシステムでは、入札に上限が設けられたことで、どの球団にも獲得の可能性が出てきた。一方で年俸の高騰は想定されるが、例え資金力のある球団でも贅沢税との関連で、マー君に、そこまで高い年俸のオファーを出せないのではないかという憶測もある。様々な情報が飛び交う中で、多くの球団もマー君待ちを続けてきたのである。 ヤンキースの在日プロスカウトとしてマー君を追いかけてきた紀田彰一氏は、こんな実情を打ち明けた。 「FA選手の中でローテーション投手として計算のできるバーネット(パイレーツ)、サンタナ(ロイヤルズ)、ヒメネス(インディアンス)らの所属先が、まだ決まっていないのは、各球団が、マー君の出方を伺っているためだと考えられます。どの球団も補強資金には限りがあるので、マー君獲得の成否を見極めてから動こうと考えているのでしょう」 不作と言われたFA選手の中には、ローテーション投手として計算の立つ投手が何人かいるのだが、その多くが契約には至っていない。米国メディアのCBSスポーツが、FA選手をランク付けしているが、そのトップ8のうち5人の行き先が未定だ。ちなみに2位にランクされているのが、楽天の田中将大選手である。 上位から順番に書くと今季は2桁に届かなかったが、通算105勝利の実績と2008年の奪三振王、アービン・サンタナ(ロイヤルズ、30歳)、ダルビッシュの元同僚、マット・ガーザ(レンジャーズ、30歳)、不振を脱出して13勝9敗、防御率3.30の成績を残したウバルド・ヒメネス(インディアンス、29歳)、パイレーツの躍進を支えた(10勝11敗、防御率3・30)のAJ・バーネット(パイレーツ、36歳)らが売れ残っている。