親に内緒で購入、スマホに依存…海外生活でデトックス、大学受験で「道具」として使うまで
留学先でデジタルデトックス
――留学先で自然にデジタルデトックスを経験したのですね。 高校2年の2月に帰国したころには、スマホを使わない生活にすっかり慣れて、留学前は体に染みついていたスマホをいじる習慣がなくなっていました。大学入試に向けて、中学時代の失敗を繰り返さないように、インスタグラムやYouTubeのアプリを削除しました。海外で身に付けた英語力を生かしたくて、第1志望を早稲田大学国際教養学部に絞り、英語に強い塾へ通いました。放課後は毎日、午後11時まで受験勉強に打ち込みました。 ――スマホは全く触らなかったのですか。 学習管理アプリを使用し、勉強内容や、学習時間と学習量を記録していました。SNS機能も備わっていて、たとえば「○○大学合格」と目標を設定すると、同じ目標を持つユーザーの記録がタイムライン上に表示され、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)できます。ほかの受験仲間が使う教材や勉強法も参考になりました。そのころには、スマホに振り回されるのではなく、スマホを「道具」として使えるようになっていたと思います。 ――インターネットが普及していなかった保護者世代の受験勉強のスタイルとは、だいぶ異なります。 アナログな方法も活用しました。僕の場合は、寝る前に、翌日の学習予定を30分ごとに細かく立てて紙に書き出し、机の前に貼りました。一日の終わりに必ず学習の進捗(しんちょく)状況を振り返り、最後に1時間だけ、息抜きとしてパソコンでYouTubeを見ていました。このようにアプリと紙の両方を利用して、計画的に勉強を進め、念願の大学に合格することができました。 ――スマホ依存に陥っている受験生にアドバイスはありますか。 振り返ると、僕の場合は学業環境が変わったときが、スマホとの向き合い方を変えるきっかけになったと思います。そもそも中学時代にスマホに夢中になったのは、千葉県の田舎から東京都内に転校したことがきっかけでしたし、スマホに依存しない生活習慣がついたのはニュージーランド留学のおかげです。スマホの欲望をコントロールするには、環境づくりが大切なのではないでしょうか。
朝日新聞 Thinkキャンパス