「バイデンはウクライナを邪魔するな」ロシア製油所へのドローン攻撃に対する停止要求は不当
ウォールストリート・ジャーナル紙の4月5日付け社説‘Biden Tells Ukraine Not to Hit Russia’が、バイデン政権がウクライナによるロシアの製油所に対するドローン攻撃を停止するよう要求したと伝えられることについて、バイデン政権はウクライナの邪魔をすべきでないと論じている。要旨は次の通り。 ウクライナは1月以来、ロシアの30の主要な製油所のうち少なくとも15を攻撃した。西側が西側供与の武器でロシア領を攻撃することを認めたがらないので、ウクライナは自国のドローンを用いている。これらの攻撃のうち幾つかは国境から750マイル超も入った場所で行われたもので、ウクライナの軍事的イノベーションを証明するものである。 しかし、3月22日付けフィナンシャル・タイムズ紙によれば、バイデン政権はウクライナにロシアの製油所を標的にする作戦を停止するよう要求し、「ドローン攻撃は石油価格を押し上げ報復を招くリスクを冒す」と警告した由である。 4月2日、米国の北大西洋条約機構(NATO)大使は「ロシア領内の標的を狙うことについて、米国はこれを特段支持するものでない」と述べた。 ウクライナはその領土に対する攻撃に苦しむばかりで、反撃はできないのか?ロシアの空軍基地やドローン工場に対する攻撃には軍事的価値があるが、製油所もロシアの戦争マシーンに対する燃料と資金の提供を助けている。
ウクライナの攻撃はロシアの製油能力の10%ないし14%を破壊した。ウクライナの目標はロシアの戦争努力を混乱させることにある。製油所の攻撃は燃料の流通を混乱させ、戦争をロシア人に身近なものとするであろう。 ウクライナのロシア領内に対する攻撃は戦争の帰趨を決めはしないだろうが、ウクライナの弾薬と防空手段が底をつきつつあるため他のオプションには制限があることから、この攻撃は重要である。プーチンが戦争をエスカレートさせ続けている一方、ホワイトハウスはエスカレーションと受け取られ得ることに対するロシアの反応を心配している。 より大きな地政学上のリスクは、ウクライナがロシアの侵略に屈するなら何が起きるかということである。もし、米国が更なる武器弾薬を提供しないのなら、最小限出来ることはウクライナの邪魔をしないことである。 * * *