原爆投下から78年 広島の小学生が思い伝える“平和への誓い”とは?石川みなみアナウンサーが密着取材
日テレNEWS
広島と長崎に原爆が落とされてから78年。毎年、広島市で行われる平和記念式典では、子どもたちが読み上げる“平和への誓い”という取り組みが行われています。今回、石川みなみアナウンサーは、代表を務めた少年を密着取材しました。 2023年8月6日。広島市で行われた平和記念式典で、2人の小学生が“平和への誓い”を読み上げました。この宣言は、広島市内の子どもたちが、平和への願いと祈りを込めたもので、広島出身の石川アナも15年前の小学6年生のときに参加しました。 今回、代表をつとめたのは、広島市立五日市東小学校に通う米廣朋留くん11歳。石川アナが会いに行きました。 石川みなみアナウンサー 「米廣くんが、真ん中のほうで授業を受けています」 普段の米廣くんは、広島カープと虫とりが好きな小学生。クラスメートからの評判は… 米廣くんのクラスメート 「わからない問題とか教えてくれたりするいい子です」 友達からの信頼も厚いようです。 実は米廣くんの家族で被爆したのは、ひいおばあさんただ一人。米廣くんが生まれる前に亡くなっていたので、会ったことはないそうです。そんな米廣くんが戦争に関心を持ったのは、ある出来事がきっかけでした。 米廣くん 「昔、兄が選ばれたので」 それは2018年の平和記念式典で、兄の優陽さんも同じく、平和への誓いの代表を務めたことでした。 米廣くん 「(その頃から)平和記念資料館 に行ったりとかしていたので戦争について考えるっていう意識はどこかであった」 これまで家族と共に戦争について学び、話し合ってきた米廣くん。 代表になるきっかけとなった、作文を見せてもらいました。 米廣くん 「『支えあう力は争いや対立を乗り越える力があると思います』とか、『人の力を支え合いに使おう』とか、『平和のために使おう』っていう言葉が僕の中では一番伝えたかった一文」 そして本番前日となる8月5日。平和記念公園でリハーサルにしている米廣くんの姿がありました。 米廣くん 「改めてやったらちょっと難しかったので(本番で)できるのかなってちゃんと」 少し不安を残しつつ迎えた当日。8月6日の朝、米廣くんに会うと… 石川みなみアナウンサー 「いよいよこれから本番です」 米廣くん 「ちょっと緊張しているけど一人でも多くの人に平和について考えてもらえるように、これまで練習してきたぶんをしっかり全部出したい」 意気込みを語る米廣くん、平和記念式典がはじまりました。 石川みなみアナウンサー 「まもなく平和への誓いが読み上げられます」 こども代表 広島市立五日市東小学校6年 米廣朋留くん 「平和への誓い たった一発の爆弾により一瞬にして広島のまちは破壊され悲しみで埋め尽くされました」 こども代表 広島市立牛田小学校6年 勝岡英玲奈さん 「あれから78年が経ちました」 米廣くん 「私たちにもできることがあります 自分の思いを伝える前に相手の気持ちを考えること 友達のよいところを見つけること みんなの笑顔のために自分の力を使うこと」 勝岡さん 「誰もが平和だと思える未来を」 米廣くん・勝岡さん 「広島に生きる私たちがつくっていきます」 平和への第一歩として、身近な人を大切にしたいという米廣くん。その思いが、世界へ伝わっていきます。