『timelesz project －AUDITION－』

　今年4月1日にそれまでのSexy Zoneから改名し、同時に新メンバーを募集するオーディションの開催を発表したtimelesz。1万8922件ものエントリーがあったことでも話題となっている「timelesz project」を進行中の彼らが取材会を行い、オーディションの進捗や手応え、そしてtimeleszとして歩み始めて丸3か月が経過した今の思いを語った。 【写真】timeleszの菊池風磨、佐藤勝利、松島聡 　そして、オーディションの模様が、Netflixで9月13日（金）から世界独占配信されることが決定。トップアイドルとして走り続ける彼らが、新メンバーオーディションに踏み切った理由とは。彼らの仲間は見つかるのか。そして、この中の誰が選ばれるのか。timeleszとオーディション参加者の、熱量と熱量がぶつかり合う熱い現場を見届けたい。 ◆現在、2次選考まで進んでいるとのことですが、ここに至るまでの動きを教えてください。 菊池風磨：発表している最初のエントリー数（1万8922件）から、1次審査で350人ぐらいまで絞りまして。今は2次審査として、その350人に直接会っています。1回につき大体5人前後の候補生を集めて、自己紹介、歌、ダンスと、これは自由なんですけどラップを披露したい人はラップ。この3つを、1人5～6分前後でパフォーマンスしてもらっています。僕ら3人だけじゃなく、ダンスと歌の先生にも一緒に見てもらっていて。あとは、裏でも僕らのコアにいるスタッフにも見守ってもらって、チームtimeleszで審査している状況です。 ◆皆さんそれぞれ、候補者のどんな点に注目して選考していますか？ 松島聡：今回オーディションに応募してくださった方が、ダンスや歌は未経験だという方が多かったんです。それでも、1次審査の動画で「ダンス初めて踊ってみました」「未経験だけど歌ってみました」という熱量を表現できている人が多くて。あとは、timeleszに懸ける思いやこの事務所に懸ける思い、エンターテインメントに対する思いを文章にして表してくれている子を僕は選ばせていただきました。2次審査では直接会っているので視覚的にも分かりやすいですが、その中でも“オーディションを通して伸びしろがありそうだな”とか、“成長が見えたらすごく面白いんじゃないかな”っていう子を選んでいます。 佐藤勝利：目を引く人や、まとっているものが違う人がいたら「空気持ってる人いたよね」とかメンバー同士でも話しています。“いい人見つけたな”とか“ああいう人いいよね”っていう感覚が共通しているときがあって。やっぱりそういうのって、ステージに立つ上で大事な要素だと思いますし、そういう人がメンバーになってくれたらうれしいなと思っています。希望が持てるようなオーディションをやらせていただいていますね。 菊池：メンバーやスタッフと話している中で、わりと意見が分かれないんですよね。「僕はこの人がいい」「いや、僕はこっちの人がいい」みたいに意見がバラバラになることがなくて、「この人よかったよね」という意見に賛同するパターンが多い。もちろんその中で若干の温度差はありますけど、見ているところがみんな同じなのかなって。僕らの審査基準って言ったら偉そうに聞こえてしまうかもしれませんが、その基準はちゃんと僕らの中で定まっていて審査していく上でもブレていない。なので、これは不安に思っているファンの方にとっては、少し安心材料にしてもらえるかなと思います。 ◆オーディションの雰囲気はいかがですか？ 松島：緊張感はあるよね？ 佐藤：うん。 菊池：僕らは“緊張感”がある感じで。候補生は“緊張している”人が多いかなと思いますけど、それは自然なことだと思うので。ただ、僕らも精いっぱい向き合っていますけど、怖くするつもりがあるわけではないので（笑）。そこらへんは和やかになる瞬間もね？ 松島：うん、すごく多い。 菊池：人によってだよね？ 松島：真剣に向き合ってるからこそ、ちょっと厳しいことを聞く瞬間もあったりしますけど。でも、それは今回のテーマが“仲間探し”なので。イチから人を集めてグループを作るのとはまた違いますし。例えばダンス経験があって歌がうまい子でも、timeleszのことを全く知らなくてリスペクトを感じられないような子もいたりするので、そういうときにはこちらが厳しい意見を言ってしまったり…みたいなこともあります。ただ、我々だけではなくて、応援してくださっているファンの方たちに対してのリスペクトも必要なので。そこはそれぞれがちゃんと向き合いながら、いい緊張感の中で会話をしているって感じですね。 佐藤：僕たちにとっても、オーディションをする側というのは初めてだったので。1日目はメンバーにも緊張がありましたね。 菊池：はははは（笑）。 佐藤：ね？（笑）やっぱり大事な仲間を探して人と向き合う時間になるので、僕たちも初めての時間を過ごすことになるんだなってドキドキしながら。でもそれがワクワクにどんどん変わっていったので、いろんな可能性が見えるような時間を過ごせています。事務所としても初めてのことでもありますし、なかなかすごいことをさせていただいているなって思いながらやっていますね。 ◆候補生たちと会ううちに、グループの新しい形や“こんなふうになるのかな”というイメージは見えてきていますか？ 松島：まだじゃない？ 菊池：それはまだな気がします。 佐藤：それぞれに、“この候補生いいな”とかなんとなくの目星みたいなものは付いてきてると思うんですけど。まだ2次審査で、全体で見たら折り返しぐらいだと思うので。“グループをまとめよう”っていう図みたいなものはさすがに作れないですね。 ◆新メンバーにはどんなことを求めますか？ 松島：「これまでグループ活動したことはありますか？」「集団生活をしたことがありますか？」みたいな、協調性に関して聞くことが3人とも共通して多いです。候補生の中でも、個人で自分のアピールをするのは得意だけど、集団ってなると苦手意識がある子もいて。我々はやはりグループ活動をしているのでそこをうまくやれる子を探しながら、その中でも個性を見つけていくみたいな作業をしていますね。 菊池：timeleszそのものや、timeleszの活動にどれだけ思いがあるか。オーディションはこれから3次、4次と続いていくので、そこで育んでもらえたらとも思うんですけど、今この瞬間にどれだけ思いを向けてくれているかっていうのはすごく大事にしています。先ほど松島も言っていたように、僕らに対してっていうのはもちろんそうですけど、やっぱりファンの皆さんあっての僕らなので。僕らにリスペクトを持ってくれているっていうのは、すなわちファンの皆さんだったりとか、今まで一緒にやってきたメンバーだったりとか。今までの僕らの歴史も、ファンの皆さんも込みで、Sexy Zoneおよびtimeleszに対してのリスペクトを大切にしてほしいんです。“これから入ってきてこれから始まる”というよりは、ずっとある物語の中の、ずっとある歴史や文化の中の“これから”なので。それは大事にしてほしいし、尊重してほしいなと思います。それは候補生たちだけじゃなく僕らもそうですし、僕らに関わってくれているスタッフもそう。「そこは忘れちゃいけないよね」って話し合っているので、候補生にもそこはちゃんと受け止めてほしいなと思っています。 佐藤：人間性とか、品を感じる人をすてきだなと感じるのかなと思っています。例えば「timeleszを見てたんです」って言葉にもいろんなグラデーションがあって、テレビでパッと見ただけっていう方や「このために勉強してきたんです」っていう方もいれば、「ずっと好きだったんです」っていう方もいて。いろんなパターンがある中で、言葉の奥にあるものを引き出して“これだけ熱量があるんだ”“品があってうそもなくて信頼できるな”って感じられると、僕らも「あの人の話し方や熱量がよかったよね」ってなる。そういう人が仲間になってほしいし、いいメンバーになるんじゃないかなと思っています。 ◆選考に影響しない程度でいいので、ここまでのオーディション参加者で印象的な方やエピソードはありますか？ 松島：ワイドショーで映っていた方は言っていいんだっけ？ 菊池：うん、アナウンサーさんとかね。あとは公務員の方がとか、元々芸能活動していましたっていう方も少なくないですし、結構バラエティに富んださまざまなジャンルから挑戦していただいています。 佐藤：言語もそうだし、マルチプレイヤーな方がいたりとか。そういう多才な候補生の方もいましたね。 菊池：あとは思いが強くて感極まってしまう人とか、緊張で裏で泣いてしまった方がいたとスタッフから報告を受けたりとか。僕らももちろん責任持って真摯に向き合っているぶん、候補生の皆さんも並々ならぬ思いで挑んでくれているんだなと僕らも日々感じています。 ◆ティザー映像で3人が爆笑しているシーンもありましたが、どういったことであのような盛り上がりがあったのでしょうか？ 松島：一発ギャグやモノマネとか、そういったことをやってくれる方もいるので、そこでツボにはまったら普通にみんなで笑って…みたいなことが多いです。 菊池：他にも返しが面白かったりとか、突発的な笑いも起きたりしますし。あとはパフォーマンスで僕らも息をのむようなものを見せてくれたりもするので、想像を超える感じというか。まだ2次審査なのでそんなに派手なことって起きないんじゃないかと思っていたんですけど、そんな僕らの予想を超えてくるようなすごいパフォーマンスがあるとやっぱり盛り上がりますよね。基本的に緊張感を持ってますけど、圧迫面接っていうわけでもないですし。近い将来、仲間になるメンバーを探しているので。その場で起こった笑いや盛り上がりっていうのは、僕らも正直にリアクションしてオーディションに臨んでいます。 ◆審査を進める中で、“新生timeleszがパワーアップしそうだな”と手応えや希望を感じる部分は？ 菊池：本当にいろんな可能性があって、希望しか感じてないですね。一般の候補生の方は僕らと歩んできた道のりが違うと思うので、そういったところでの刺激を受けたり違った文化を取り込んでいくっていう面白みもありますし。一方で僕らのグループも、会社の歴史もあって、その文化を尊重してもらいたいところではあるので。その最大公約数というか、交点で結ばなきゃいけないなっていう責任感もありますけど。それをいったん度外視すると、僕らも彼らと出会うことですごく刺激的な日々を送っていますし、心が奮い立つ瞬間が何度もこのオーディションの中であって。2次審査の時点でこれなので、3次、4次と進めていくと、関係値ができてお互いの中身も見えるようになってきたときに、また新たな化学変化が生まれるんじゃないかと。そういう点でも、僕らは“希望しかないな”と思っています。 松島：今、ツアー中にオーディションを開催できていることも結構大きいです。ステージに立ちながら、早くて来年には同じステージに何人かと一緒に立っているっていうのをイメージしながら候補生とも向き合えているので。その中で、自分たちにない色や才能を持っている子がたくさんいて、目に見えて分かるような才能もあれば、これまでどういう人生を歩んできたかという経歴を聞くのも刺激になるので、面白いし楽しみです。 佐藤：新しい家族が増えるような感覚というか。そうなると楽しみも増えていくし、どうなっていくかはまだ分からないですけど、メンバーの組み合わせやコミュニケーションの形も広がっていくと思うので。メンバーが増えることによって、グループの幅が広がっていくんだろうなというワクワク感もありますね。 ◆最初にオーディションの開催を発表したときに、菊池さんが「まだどの媒体で放送されるとか決まっていません」と仰っていましたが、Netflixでの配信が決定した今の心境は？ 菊池：正直、驚きました。最初は自分たちのYouTubeで配信してくのかとか、はたまた新たなチャンネルをYouTubeやSNSで立ち上げて、そこで発信していくのかということも視野に入れて考えていたので。あの生配信から、Netflixさんが手を挙げてくださるとは！という驚きがありました。 松島：めちゃくちゃ大きいところが協力してくれるありがたみを感じています。何より、我々のこれまでの歩みとともに、これからグループを作っていく過程をいろんな方に見ていただけるっていうのはすごく大きなことですよね。“オーディション”っていうコンテンツが今すごくはやっているし、きっとtimeleszを知らないけどオーディションに興味のある方にも見ていただけるのかなと。事務所のこれまでの歴史とかも含めて、いろんな人に知っていただけたらうれしいなと思います。 佐藤：僕も本当に驚きましたし。これだけ大きなNetflixさんが味方になって背中を押してくださるのはありがたいことですし。そのプラットフォームで世界に配信していただけるということなので、どんどん大きな規模感になっていっているということがすごくうれしいです。 ◆先日の横浜アリーナのライブでは、「Sexy Zoneの夢は引き継いで、絶対に達成します」という菊池さんの発言もありました。現メンバーの3人プラス新メンバーで“いけるな”という手応えはありますか？ 菊池：はい、“全部、うまくいきます”。とにかく今、グループの雰囲気もいいですし。もちろん今までがダメだったわけじゃないんですけど。もう“背水の陣”っていうところもあって、僕らとしても最後のチャンスだっていう思いがある。候補生の中にも、「最後のチャンスだ」って言葉を発する人たちが多くて。そんな僕たちや候補生に賭けてくれるスタッフがいる。でも、僕らは今始まったわけじゃないので。12年の歴史を背負いながら、ここからまた新しいけど最後の挑戦をしている。これ以上の舞台はないと思っています。今みんなでやりとりしている感触で言うと、“全部うまくいきます”。 ◆グループ名が変わって3か月の中で、皆さんどのような実感を持って過ごしていますか？ 松島：僕はもう3人になった時点で「timeleszとして、まずはこの3人で軸を固めていかなきゃいけないな」と思ったので、僕の中ではtimeleszとしてすごく自覚をもって仕事に取り組めているかなと思っています。我々3人が固めておくことによって、新しいメンバーも入ってきやすくなりますし。その辺の覚悟と責任は持ったうえで、今いろんなことと向き合えているかなと思いますね。ファンの皆さんも、ファンではない方も含め、このプロジェクトに対して、アイドルやエンターテインメントに対しての思いみたいなものもたくさん聞きましたし。それが刺激になっているので、「絶対にこのプロジェクトを成功させて、やってよかったなと思ってもらえるようなものにしたいな」と思っています。 菊池：いきなりメンバーを増やして「これが新生timeleszです」というよりは、3人でちゃんとベースを作った上で新メンバーを迎え入れるのが僕たちの中で一番腑に落ちたというか。これが正攻法かなと思って、この選択を取りました。なおかつもう1つ言うとしたら、この3人のtimeleszっていうのも貴重な時間だなと思っていて。オリジナルメンバーで今までの曲やパフォーマンスを披露するのは今しかないですし、「そこはすごく大事にしたい瞬間だよね」と3人で話して今回のライブツアーをそういう作りにしています。今までのSexy Zoneっていうのは、時間の許す限りになってしまうので全てはできなかったですけど。僕らが「やり残したことはない」と言えるように、オリジナルメンバーでのパフォーマンスを今まさにやっていて。今の3人だからできること、今の3人だから感じてもらえることが多くあると思うし、そこをtimeleszとして大事にしているからこそツアータイトルを「We’re timelesz LIVE TOUR 2024 episode 0」にしているわけで。そこからまた新メンバーが入ったときに、エピソードが重なっていくのかなと思って今活動しています。 佐藤：timeleszというグループ名の最後に“sz”と付いている通りSexy Zoneから地続きなので、今まで築き上げてきたものを受け継いで大事にしていきたいです。でも、これだけ新しい挑戦をさせていただいているので、新しいものを生み出せなかったらチャレンジしている意味がないとも思うんです。どういう方に出会ってどういうグループになってっていうのが見えない中、ある意味冒険しているような気持ちで歩んでいるんですけど。デビューして10年以上たっているこのタイミングで、新しい出会いにワクワク感を抱けるっていうのも本当にありがたいことだなと思います。ファンの方には心配をさせてしまっている部分もありますが、どんどん応援の声もいただけるようになってきているので、その言葉を胸に仲間を精いっぱい丁寧に探していけたらと思っています。ちょっと前後しちゃいますけど、“5人のSexy Zone”にこだわっていた分、5人の活動ができないという状況になったときに、どうやったら前を向けるようになるのかなとすごく考えていて。timeleszという名前に変わって、オーディションをやることが決定したときに、それがすごく原動力になったというか。“このまま下を向いてはいけないな”というか、“ちゃんと上を見上げて、今までの気持ちも背負ってこれから力強く歩んでいかなきゃいけないな”と思えたのが、このtimelesz projectでもあるので。今までの気持ちも胸にまた新しい可能性を僕たちも探して、いろんな方に納得してもらえるように誠心誠意、人生賭けていいグループを作っていきたいなと思っています。