都知事選「君ならどうする」、動画や模擬投票で子どもたちの「きっかけ」期待
練馬区の富士見中学校高校も16年から、実際の選挙を基にした模擬投票を実施している。先月25、26日の放課後に行われた模擬投票では、生徒らが投票用紙に今回の都知事選の候補者名を書き、1票を投じていた。区選管から投票箱や記載台を借り、投票用紙を渡す係員役も生徒らが務めた。
今回の都知事選で初めて投票に行くという高校3年生(18)は、「ニュースを見て各候補の実績や人柄を調べた。必ず投票して、政治に若者の声を届けたい」と話す。
◆立会人に起用
前回20年の都知事選の投票率は55%。年齢・年代別では、18歳が60・58%と全体平均を上回った一方、20歳代は41・17%と落ち込み、全年代で最も低かった。若者の関心をどう維持するかも課題だ。
武蔵村山市は18年から、市内で選挙がある度に、投票が公正に行われているか確認する「投票立会人」に18~29歳の若者を起用している。
当初、数人だった応募者数は年々増え、今回の都知事選では過去最多の83人に上った。市役所の期日前投票所で投票立会人を務めた大学1年の女子学生(18)は、「初めてということもあり興味があった。同年代の人も投票に来ていて、改めて選挙の大切さを感じた。今後の選挙では必ず投票したい」と話す。
浦和大学の林大介准教授(主権者教育)は「初めて投票する18歳は学校の働きかけもあり、投票率が高いが、多くはその後、関心を持ち続けられなくなる。子供の頃から授業や地域の活動を通じて、選挙や政治を身近に感じる取り組みを続けることが不可欠だ」と指摘する。