【元大関・琴風の目】大の里、危険と背中合わせの白星 下がりながらの突き落としは「毒を飲む」のと同じ
◆大相撲 ▽夏場所4日目(15日、東京・両国国技館) 若元春に得意の左四つを許しても土俵際の突き落としで3勝目を挙げた大の里。立ち合いのもろ手からの強烈な当たり、懐の深さ、相撲のうまさは認めたとしても、危険と背中合わせの白星だと言わざるを得ない。ラッキーだったのは土俵際で若元春の右肘が空いたことだ。そこをうまく攻めて下がりながらの突き落としで勝負を決めた。 【夏場所】番付&星取表 横綱を狙える逸材だからあえて厳しいことを言わせてもらう。2日目の琴桜の一番でも書いたが、下がりながらの突き落としは「毒を飲む」のと一緒。楽して勝つことを覚えると脳では理解していても体が自然に覚えてしまう。これが大きなけがにつながる。 大の里には若元春の寄りに耐えてほしかった。たとえ負けたとしても明日につながる黒星になるはずだ。私は現役時代、「自分の目に見える俵まで押していけ」と教わってきた。この言葉を大の里に贈りたい。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
報知新聞社