ビットコインへの期待が後退──中国の景気刺激策の減速で
9月の中国株高は、トレーダーたちが1週間の休暇から戻った10月8日に失速した。アジア取引時間の序盤には、より幅広い市場の投資家が反応し、ビットコイン(BTC)が下落した。 ビットコインは、10月7日の米国取引時間後半には6万2000ドルまで下落した。アジア取引時間の早朝には6万2700ドルまで上昇したが、前週のほぼすべての利益を打ち消した。主要暗号資産(仮想通貨)のソラナ(SOL)、イーサリアム(ETH)、エックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)は最大4%下落し、7日の利益を失った。 幅広い銘柄を対象とするCoinDesk 20指数(CD20)は2.18%の下落となった。 投資家は、中国の休暇明けの8日に、国家発展改革委員会(NDRC)がさらなる景気刺激策の概要を説明するだろうと広く予想しており、9月に行った金利引き下げと市場への流動性支援にさらに追加し、減速する経済を活性化させるだろうと期待していた。 火曜日に中国市場が再開した際には、大きな上昇が期待され、その一部は暗号資産市場にも波及する可能性があった。 しかし、NDRCのブリーフィングでは緊急性や具体性が欠けており、さらなる刺激策の計画もなかったため、投資家は落胆し、中東での紛争に対する懸念が残る中、市場のセンチメントは悪化した。同時に、多くの投資家がこの上昇から利益を得ようと焦ることになった。 中国を代表する株価指数である上海総合指数は、取引開始後に4%上昇したものの、投資家が新たなコメントを消化するにつれ、終日下落した。ハイテク株の比重が高いハンセン指数は、金曜日と月曜日に上げた分を帳消しにするかのように、7%近く下落した。 一部のアナリストは以前、資産価格をより長い期間押し上げるものだった2015年のサイクルと比較すると、最新の景気刺激策は楽観的であり、9月下旬の株価上昇は勢いを維持できるかどうかはわからないと警告していた。 そのため、NDRCの鄭柵潔主任は、中国経済は「安定」しており「進展」を見せていると述べ、基本的な状況は変わっておらず、5%前後の経済成長目標を達成できるとの自信を示したとブルームバーグが報じた。 一方、暗号資産トレーダーは、今週末に予定されているアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の会合から、今後のポジショニングの手がかりを得ようとしている。FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録と経済成長を追跡する8月の主要な指標を公表する予定だ。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bullish Bitcoin Hopes Dented as China Eases Stimulus Plans
CoinDesk Japan 編集部