木曽漆器の魅力発信へ 長野県塩尻市で修業中の職人・竹内桜咲子さん 東京で若手工芸作家展に出品
長野県塩尻市で修業中の木曽漆器職人・竹内桜咲子さん(25)=木曽平沢=は20日と21日に東京・丸の内の商業ビルKITTE(キッテ)で開かれる、若手工芸作家による展示発表会「ファースト・パトロネージュ・プログラム」に出品する。期待される次世代の作り手の一歩を応援する企画で、日常使いができる漆器の魅力を発信する。作品を販売する。 色漆を塗り重ね模様を研ぎ出す「木曽堆朱」や、金箔の上から透明の漆を塗り模様を浮かび上がらせる「白檀塗り」などの技法で仕上げた、わんや小物入れ、めんぱ(弁当箱)など約40点を並べる。リンゴの形をしたかわいらしい入れ物は、本物のリンゴの枝を使った。福岡県出身の竹内さんは京都で漆を学び、石川県輪島市の漆器問屋勤務を経て、昨年10月に地域おこし協力隊員に着任、文化財修復作業にも携わっている。竹内さんは「漆器の産地を知ってもらえれば」と願っている。 展示発表会は、一般財団法人・川村文化芸術振興財団が主催し、平成29(2017)年度に始まり7回目。全国の教育機関などが推薦した、陶器や金属、ガラス、染色などの作家が選考され、今回は20人が出展する。同発表会には1人1回しか出展できない。 事業協力する一般財団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパン会員で、竹内さんを推薦した石坂健一塩尻市副市長は「竹内さんの作品のファンができ、木曽漆器の伝統技術が生きていることが伝われば」と期待する。
株式会社市民タイムス