余震懸念し、珠洲焼の窯出し作業早める「ようやく灯った窯の火を消すまい」と伝統守るため
石川県珠洲市の伝統工芸珠洲焼の作家たちが、思いを込めた作品の窯出し作業を行いました。珠洲市蛸島町の珠洲市陶芸センターでは、5月下旬から珠洲焼を高温の窯で焼き上げる作業が始まりました。 【写真を見る】余震懸念し、珠洲焼の窯出し作業早める「ようやく灯った窯の火を消すまい」と伝統守るため 予定では5日、窯出しされるはずでしたが、およそ200点の作品は既に取り出されていて、中には割れた作品も見つかりました。原因を聞いてみると、 珠洲焼振興会代表・米田初男さん「6月3日、震度5強の地震があった時に朝一番にきて緊急的に出しました」 今後の余震を懸念して、窯出しの作業を急遽、早めたということです。それでも元日以降、初めてとなった作品の完成に作家たちは安堵の表情を見せていました。 珠洲焼作家・西絵美さん「無事に出てきてくれて良かったです」 中には、地震のお見舞いや支援へのお礼として依頼を受けた作品もあります。 珠洲焼作家・鈴木吉彦さん「10個ほどビアカップ欲しいって言われて。やっぱり気持ちとして何かお返しをしたいっていうのがあるんでしょうね。やっぱり窯焚きが出来るという事は楽しい事ですよね。結果はどうあれね、窯焚きが出来たんだっていうんで」 珠洲焼振興会代表・米田初男さん「時間はかかりますけど、少しでも珠洲焼の復興の為に私らも微力ながら尽力できれば良いなと思って、また自分自身の励ましの為にも頑張りたいと思います」 ようやく灯った窯の火を消すまいと、作家たちは伝統を守っていく気持ちを新たにしました。
北陸放送