「不適切にも」最終回の鍵握る喫茶&バー ロケ地の松戸・46歳「マスター」直撃「阿部サダヲさんは高校の先輩なんです」
「すきゃんだる」と「SCANDAL」
今クール、大ヒットしているTBS系ドラマ「不適切にもほどがある!」。29日には最終回を迎える。舞台の中心となっているのが、喫茶&バー「すきゃんだる」と「SCANDAL」だ。ドラマでは、登場人物たちが交錯する重要な場として描かれている。実際のモデルとなり、撮影現場にもなった喫茶&バーがある。 【実際の写真】46歳イケメンのマスター、ナポリタン、トイレ…ロケ地となった松戸市の喫茶&バーの全貌
千葉県のJR松戸駅から徒歩約6分。松戸市役所の前を抜け、大通りからひとつ入ったところに、その店はあった。レトロな店構えは、どこか懐かしい。ドラマにも頻繁に登場する外観。店名の「カフェ・ド・パルファン」は、フランス語で「コーヒーの香り」という意味だ。 「昨年の秋、私が夜働いていたところ、一人の男性がプラッと店にやってきたんです。TBSの人ではなく、フリーでやっているという方でした。『撮影で使いたいんですが』と言われたんです。『怪しいな』と思っていたら、企画書を見せて頂き、数日後、美術部の方と見に来られました。今も営業していて、(ドラマの設定の)1986年にもあった店を探していたようで、レトロな雰囲気がドラマに“マッチ”したそうです」 そう語るのは3代目店主の山本剛さん(46)。2代目店主で母の山本久美枝さん(82)と店を切り盛りする。 ドラマでは、外観シーンは店前で撮影し、店内シーンはスタジオセットで撮影している。実際に店前で撮影があったのは、昨年11月と今年2月の2回。ロケでは、主演の阿部サダヲ、吉田羊、磯村勇斗、三宅弘城らが訪れた。 「本当は店内でも撮りたかったそうなんですが、設定が2倍の広さだったので、スタジオセットになったようです。カウンターやトイレの入り口は、美術部の方からも『レトロな感じが、いいですね』と言っていただいて、スタジオセットに取り入れられています」(久美枝さん)
1980年オープン 総額2000万円
店がオープンしたのは1980年のこと。「私が38歳の時、母と相談して、喫茶店をやりましょうと始めたんです」と、久美枝さんは振り返る。 開店前、久美枝さんは東京・下北沢にある同名の喫茶店を視察。当時のマスターに「同じような店を作りたい。名前もあやかって、同じ店名でも大丈夫ですか」と聞いたら、二つ返事でオッケーをもらったという。その後、別の店で見習いとして働き、焙煎のやり方などを習得した。 「下北沢の店舗が素晴らしかったので、カウンターなどを含めてほぼ全部、真似しています。外観や内観のイメージを伝えた後は、設計屋さんに全部お任せしました。食器なども含めた費用は全部で2000万円。しっかりした作りなので、地震がきてもびくともしません」(久美枝さん) 昼はランチで夜はバー、という設定はドラマと同じ。3代目・剛さんが作る家庭的な日替わりランチ(コーヒー・紅茶付き、850円)は大人気で、ドラマ放送前からランチ予約が取れない状況が続いている。ドラマで頻繁に登場するナポリタン(800円)も人気だ。 夜のバーでは、ドリンクがオール500円。「夜、計算がめんどくさいので、全部500円にしちゃったんですよ。明朗(会計)にしたかったんで」と剛さん。そうした大らかな人柄もあってか、夜は地元の社交場のようになって、大賑わいだ。 「ここで知り合って、仲良くなって結婚した人もいます。最近はドラマで知って、いらっしゃる方が多いですね。ドラマが放送される金曜夜は、カウンターでファンが集まって楽しそうに鑑賞しています」(剛さん) 主演の阿部は、店がある千葉県松戸市出身。 「偶然にも、阿部さんは私と同じ地元高校の先輩だったんです。(阿部さんの)実家もここから歩いて行けるところにあるそうです。撮影でいらした時、近くにあったゲーセンがローソンになっていたので、『ゲーセンは?』と驚いていました。ドムドムバーガーも中華そば屋になっていて、『ドムドムは? ないじゃん』とも言っていましたね」(剛さん)