辛島公園北側、〝ホコ天〟化の効果は? 熊本市が実証実験結果まとめる 賛同7割、懸念も
熊本市は、昨年10月から今年3月までの半年間、中央区の辛島公園北側の市道(約80メートル)を車両通行止めにし、歩行者空間とした実証実験の結果をまとめた。市道沿いにある花畑広場とアーケード街の人通りが増える一方、周辺道路で渋滞が発生した。 実証実験は、市道で分断される辛島公園と花畑広場を一体化することで、にぎわい創出やアーケード街から熊本城方面への回遊性の向上を図るのが狙い。2021、22年の実験は各3日間だったが、今回は長期間の影響を検証した。 その結果、イベントなどに使えるスペースが広がったことで、花畑広場とアーケード街の人通りが平日で3%、休日で5%増加。イベント時の花畑広場の平均滞在時間も2分増えた。市のアンケートでは、歩行者空間とすることに肯定的な意見が約7割を占めた。 一方、周辺道路は渋滞し、桜町バスターミナルに向かう一部の路線バスなどで最大8分程度の遅れが出たほか、辛島地下駐車場西側の道路も混雑した。付近の立体駐車場などを利用する際に迂回[うかい]が必要になる場合もあり、アンケートでは交通利便性の低下を懸念する声もあった。
市は歩行者空間化を目指して実験を重ねてきたが、桜町への市役所本庁舎の移転建て替え計画が浮上。「周辺の交通状況が大きく変化する可能性がある」(市街地整備課)として、新庁舎の完成後に改めて検討する。(臼杵大介)