宇都宮市で１時間に降った雨の量が観測史上２位を記録した今年８月の豪雨の際、水没した車から女性を助け出した市内に住む男性に２３日、消防から感謝状が贈られました。男性が当時の様子を語りました。 今年８月２４日、宇都宮では気象台の観測で、１時間雨量が１９３０（昭和５）年の統計開始以降、歴代２位の９８．５ミリを記録しました。 宇都宮市陽東１丁目の道幅の狭い道路。どこにでもある生活道路が「川」になりました。乗用車が１台、窓ガラスギリギリの高さまで水没しています。車の中には５３歳の女性が１人取り残されていました。 この女性を救助したとして２３日、近くに住む新倉健さん（５４）が宇都宮市東消防署から感謝状を受けました。 新倉さんは、この日の午後５時ごろ自宅のマンションから水没した車を見つけました。 （新倉健さん）「あっという間で５～１０分ほど。はじめハザードランプはついていなかったが、つき始めたので中に人がいると思った。水位は自分の腰の上くらいでした」 女性は夫を近くの商業施設に迎えに行く途中でした。冠水には気づかなかったといい、身長１７４センチの新倉さんは、車のドアを開けて女性を背中にかついで助け出しました。幸い、けがはありませんでした。 （新倉健さん）「女性は泣いていました。動けなかったので自分の背中に乗せた。生命保険会社で３０年以上勤めて人の生死みたいなものにも携わっていたので、その時は無我夢中だった。怖くはなかったですね。助かってよかったと思いました」 この日だけで、宇都宮市内では道路の冠水や住宅の浸水で７件の消防出動がありました。新倉さんはこの場所での冠水は初めて見たと話していて、改めて激甚化する大雨災害への備えが求められています。