食べられないけれど…木の鏡餅 じわり人気 岡谷の企業、鋳型技術生かし
色合いや手触りにこだわった自信作
鋳型製造などのシミズ(岡谷市)が生産・販売している木製の鏡餅模型がじわりと人気を集めている。かつて主力事業だった木製鋳型の技術を生かし、使用する木材も色合いや手触りにこだわって開発した自信作。新型コロナウイルス下で本業の売り上げが落ち込んだことを機に販売を始めた。 木の鏡餅
コロナの逆風を勝機に
新型コロナの影響で本業の売上高が3割ほど落ち込んだことから、新規事業のアイデアを検討。従業員の清水恵さん(46)が「技術を生かして長く使ってもらえる物にしたい」と木製の鏡餅模型を考案した。
ヒノキ、ケヤキ、ブラックチェリーを採用
餅の部分には白さと艶やかさを重視してヒノキを、ミカンの部分は黄色味の強いケヤキと赤みがかったブラックチェリーの2種類を採用するなど厳選。昨年10月に売り始めたところ、2~3カ月でおよそ30個売り上げ、今年も20個ほどの注文があった。
シミズの前身の清水木型は1946(昭和21)年創業。当初は木材の鋳型を作っていたが、近年は木粉と樹脂を混ぜた人工木材や金属の鋳型を製造している。自社製品は顧客の製品を造るための鋳型のため、外部に向けて技術を積極的に発信する機会は限られていたという。
初めての自社製品
清水さんの夫で社長の祐治さん(46)は「会社始まって以来の自社製品ができた」と笑顔を見せる。ミカンの部分を職人の手彫りで仕上げたタイプの価格は税込み2万900円。シミズのオンラインサイトや電話(電話0266・23・5100)で受け付けている。