CS出場の正念場を迎えるも、千葉Jの富樫勇樹が「すごく楽しい」と語る理由「今シーズンはいつも以上にチャレンジャーの気持ち」
「勝たなければいけない、ずっと勝ってきたチームのプライドは持っています」
この点について富樫本人に尋ねると、チームとしてやるべきことができなかったと語る。「流れの中で、普段やらないことをやってほしいわけではないです。自分たちの流れに乗ってプレーできればいいですが、今日はさせてもらえなかったゲームでした」 現在、千葉Jは33勝21敗でワイルドカード1位に立っているが、2位の島根スサノマジックとは1.5ゲーム差、3位の広島ドラゴンフライズとは2ゲーム差とこれまでの貯金が底をつきつつある。天皇杯優勝が示すように、リーグ制覇しても驚くべきではない実力を十分に備えている千葉Jだが、CS出場を逃す危険性もあり得る状況だ。 コロナ禍によるシーズン中断を除くと、千葉JはBリーグ初年度からずっとCSに出場しているリーグ随一の強豪だ。今シーズンも前半戦は苦しんだが、後半戦から徐々に調子を上げて東アジアスーパーリーグ、天皇杯とすでに2冠を獲得。3月途中からビッグマンに故障が続いた大きなマイナスはあったにせよ、現状に驚きを感じるBリーグファンは少なくない。 それでも富樫は「今年は今年で僕はすごく楽しいです」と語る。そこには「勝たなければいけない、ずっと勝ってきたチームのプライドは持っています」との矜持がある一方、シーズン最初から自分たちは挑戦者というブレない考えがあるからだ。 「メンバーの入れ替えもあってスタートが悪かったです。CSは難しいと思った方も多かった中で今はワイルドカード1位にいます。天皇杯、EASLで優勝できましたし、シーズン初めの頃を思い出せばすごく良い状態です。だから、今シーズンはいつも以上にチャレンジャーの気持ちでCS出場に向けて臨めています」 天皇杯での歴史的な圧勝が示すように、千葉Jの爆発力はリーグ最高クラスだ。どんな形でもCSに出場できれば、ダークホースとして大きな注目を集めるのは間違いない。だからこそ「今日が自分たちの本来の実力かと言ったら、そうではないです。この結果をどうとらえ、ここからどう学んでいくのか」と富樫が強調するように、この敗戦を糧とできるかどうかが、千葉Jの今シーズンにおける大きな分かれ道となってくる。
鈴木栄一
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