静岡県内でお歳暮商戦が本格化 オンライン予約や地元の味、富裕層に照準… 百貨店、販売戦略で知恵
年末年始商戦を前に、静岡県内百貨店で歳暮販売が本格化している。儀礼的な性質から企業間の贈り合いを廃止する動きやライフスタイルの変化で売上規模が縮小傾向にある一方で、多少高額でもお気に入りの逸品を大切な人に贈るトレンドも見られる。オンライン予約による効率化や地元産品の品ぞろえ強化など、各店は販売戦略に知恵を巡らす。 静岡伊勢丹(静岡市葵区)は今年からギフトセンターに予約専用レーンを設けた。先行予約したカード会員やアプリ登録した来店者を優先的に対応し、待機時間削減を図っている。県産品を集めたコーナー「うまいら静岡」など、三越伊勢丹バイヤーがよりすぐった千品目以上を用意する。 歳暮は毎年同店で購入するという御前崎市の落合とし子さん(77)は「最近はスーパーも値上がりしているので、ちょっとぜいたくなものを」とリンゴの詰め合わせを親族などに購入。「自分がもらってうれしい品を感謝の気持ちを込めて贈りたい」とほほ笑んだ。 1日からオンライン予約を開始した遠鉄百貨店(浜松市中央区)は、早期割引や送料無料などの特典も奏功し、受注数が昨年同時期比を上回る好調な滑り出しを見せる。三ケ日産ミカンや海の幸など地元産食材を取りそろえ、利用者の人気を集めている。 富裕層も視野に入れた戦略をとるのが松坂屋静岡店(静岡市葵区)。百貨店ならではの仕入れ力を駆使したお取り寄せサイト「GOHOUBI(ごほうび)」を展開し、スイーツ有名店の商品などを売りに、上質な暮らしを楽しみたいニーズに応える。
静岡新聞社