裁判の手間省く「あくまで」形式的な水原一平被告の「Not guilty」
ドジャース・大谷翔平投手(29)の銀行口座から巨額の金を盗んで不正送金したとして銀行詐欺などの罪に問われた元通訳の水原一平被告(39)が14日(日本時間15日)、罪状認否のためにロサンゼルス連邦地裁に出廷した。すでに罪を認める司法取引に応じているが、この日は手続き上の理由から形式的に無罪を主張した。司法省によると、次回審理で罪を認める見通しだ。 【写真】報道陣に囲まれても無言を貫いた水原一平被告 * * * カリフォルニア州の弁護士資格を持つ東町法律事務所の村尾卓哉弁護士は、水原被告が無罪を主張したことについて「あくまで形式的なもの」と説明する。 今回の罪状認否は、初期手続きを行う治安判事が担当。村尾氏は「もし水原氏が有罪を主張すると『治安判事ですけど裁く判断をしてもいいですか』といった合意を各所に取ったうえで、結局は何も裁かずに次の『地方判事』へ担当が移行することになります」と指摘。「無意味な手間ですよね。だから『無罪主張』をして過程を省く。米国では普通のことです」と述べた。 水原被告は6月14日にも有罪への答弁変更するために裁判所へ出廷する。「その日から95日以内に判決を出すという、カリフォルニア州の独自ルールがあるんです」と村尾氏。答弁変更が6月なら判決は9月ごろ。「ただ、このルールは延長可能。諸々考えて実際の判決は数か月以内でしょう」とした。 ちなみに司法取引は、検事と弁護士の取り決め。裁判官の判事は、司法取引内容の変更を指示したり、拒否することもあるという。
報知新聞社