マジで実話!? 殺し屋七変化『ヒットマン』の“演技”が素晴らしかった件
【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
冒頭で「やや本当の話」と、謳われる実在した人物をモデルに描かれた物語なのですが、まあ、もう、三谷幸喜とかウッディ・アレンが書いた創作コメディとしか思えないほどの面白さ! 予告編動画『ヒットマン』 軍を退役して大学教授になって、傍らで警察の仕事手伝っていたら「殺し屋のフリをして、殺人の依頼をさせるおとり捜査官」になる男のストーリー。 しかも、教授としての科目が、哲学とか心理学なので、もう、映画を描くのに必要な「愛」「命」「人生」「道徳」「真理」ctc..全部、入ってる! しかも、殺し屋のフリをするために、様々な「自分」を、演じていくんですが、その中で「自分ではない自分」で、女の子と、恋に落ちちゃって…どエレぇラブコメじゃねぇか! 多分、この映画の本当のテーマは「自分とは」です。 何よりすごかったのが、様々なタイプの殺し屋を演じるために色々なファッションで別人格を演じる主演のグレン・パウエルさんと、最初は殺しの依頼人として登場し、徐々に主人公の殺し屋と恋に落ちていくアドリア・アルホナさんの「シーンが進むにつれて、成長が目に見えてわかるほどのの表情の変化」。 ヒロインがコスプレする場面とかもあったので、あきらかに意識してやっていると思います。 もちろんコスチュームやメイクの効果もあると思うのですが、俳優目線で見ると圧倒的に、顔つきの変わって行き方が、ご飯3杯はいける素晴らしさでした。 撮影期間どれくらいだったんだろう…短期間であれだけ顔つきを変えられるのは、演者としての日頃の訓練の賜物と言わずにはいられないでしょう。 2人共、場面が進むにつれどんどんセクシーになってくし、マジでどういう撮影スケジュールだったか知りたい傑作でした。
黒田勇樹(くろだ・ゆうき) 1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。 主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。 2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。 現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。