杉咲花主演で柚月裕子『朽ちないサクラ』実写映画化決定 「緊張を抱きながら演じました」
杉咲花が主演映画『朽ちないサクラ』が、6月21日よりTOHO シネマズ日比谷ほかにて全国公開されることが決定した。 【写真】杉咲花主演『52ヘルツのクジラたち』ポスター(3月1日公開) 本作は、『孤狼の血』『佐方貞人』『合理的にあり得ない』など数々のシリーズが映像化されている、大藪春彦賞作家・柚月裕子の『サクラ』シリーズのはじまりとなる同名小説を実写映画化する警察ミステリー。県警の広報職員という、本来は捜査する立場にないヒロインが、親友の変死事件の謎を独自に調査し、事件の真相と、次第に浮かび上がる“公安警察“の存在に迫っていく物語が描かれる。 監督を務めるのは、5月24日公開の『帰ってきた あぶない刑事』でも監督に抜擢された原廣利。原は、『ウツボラ』(WOWOW)や、撮影監督も務めた『日本ボロ宿紀行』(テレビ東京)など多くのドラマ作品で演出を手がけており、本作が2作目の長編映画となる。 愛知県平井市在住の女子大生が、度重なるストーカー被害の末に、神社の長男に殺害された。地元新聞の独占スクープ記事により、警察が女子大生からの被害届の受理を先延ばしにし、その間に慰安旅行に行っていたことが明らかになる。県警広報広聴課の森口泉は、親友の新聞記者・津村千佳が約束を破って記事にしたと疑い、身の潔白を証明しようとした千佳は、1週間後に変死体で発見される。自責と後悔の念に突き動かされた泉は、自らの手で千佳を殺した犯人を捕まえることを誓う。 『市子』『52ヘルツのクジラたち』『片思い世界』と映画での主演が続く杉咲が単独主演を務める本作で演じるのは、県警・広報職員で26歳の主人公、森口泉。“事務職のお嬢ちゃん”が自責と葛藤を繰り返しながら、強さを手に入れていくという役どころだ。杉咲は本作について「この物語は、ひとりの人物の失敗から始まります。いつの日か失敗してしまったことのある誰かにも、他者の失敗を許してあげられない誰かにも、この映画が届いてほしいです」とコメントを寄せている。 あわせて公開されたティザービジュアルでは、タイトルにもある“サクラ”を背景に、本作の重要なシーンが撮影された川で真っ赤なワンピースを着た泉(杉咲花)が、素足のまま佇んでいる姿が切り取られている。 原作の舞台は架空の土地となっているが、映画では舞台を愛知県に設定し、2023年3月から4月に蒲郡市を中心に県内でオールロケが行われた。撮影は、満開を迎えた本物の桜と共に晴天が広がる奇跡的なシチュエーションの下で行われ、本編で咲き誇っている美しい桜はすべて本物が使用されている。 コメント 杉咲花(森口泉役) この物語は、ひとりの人物の失敗から始まります。私はその出来事に温もりの眼差しを向けることはできないけれど、失敗に向き合い、責任を取ろうとする姿を見捨ててはいけないと思いました。“再生を見守る”という世の中のあるべき姿のひとつとして、この映画に関わる価値を感じ、緊張を抱きながら演じました。いつの日か失敗してしまったことのある誰かにも、他者の失敗を許してあげられない誰かにも、この映画が届いてほしいです。 柚月裕子(原作) この作品は、世の中の理不尽や不条理なことに、懸命に立ち向かっていく人間を書きたくて出来上がったものです。主人公の森口泉は、親友の死をきっかけに事件の真相と社会の闇に迫っていきます。泉は、迷いながら、悩みながら、ときに諦めそうになりながらも、必死に前に進んでいきます。がんばる泉を、杉咲花さんがどのように演じてくださるのか、とても楽しみです。泉を、そして作品に登場する人々を応援しています。
リアルサウンド編集部