the dadadadys、最高のロックをぶち上げた『EP RELEASE TOUR』東京公演をレポート
ライブ後半に入ると、小池はさらにすべてを曝け出すようにして音楽を奏でていく。「メアリー、無理しないで」を終えて天を仰ぎ手を広げた彼は、「どうかdadadadysのジェットコースターに振り落とされないでください。だって、これは君に歌うために持ってきたんだもん」と言って「拝啓」を始める。文字通りジェットコースターのような2ビートにフロアが揺れ、コーラスを歌う声が溢れ出す。「俺は未来永劫信じてる、こんな日が続くと。だから歌ってみた」。そう叫んだ小池はステージを下り、フロアの中に分け入っていく。ソファの上に立って歌う小池も、そこに群がるオーディエンスも、全員がこのライブの当事者にして首謀者。「ひとつになっている」とかの言葉では言い足りない、共犯者のような空気がLOFTに漂っていく。 「『憂さ晴らせ♪ EP RELEASE TOUR』ですが、それを聴いて来ているみなさんは、紛れもなく、世間から逸れた、イカれたセンスの持ち主です。俺はそんな、イカれた最高のセンスを持つみなさんが大好きです」というMCで拍手を浴びると、終盤では「じゃじゃ馬にさせないで」のカバーを皮切りに、ヒップホップテイストの「らぶりありてぃ」に丁寧なミドルチューン「忘れた」と振り幅の大きな楽曲を投下。「不透明恋愛」に当然のようにシンガロングが巻き起こった「高層ビルと人工衛星」といったteto時代の名曲を経て、『憂さ晴らせ♪ EP』収録の「しゃらら」で本編を締め括った。 アンコールでステージに戻ってきた5人は、まずEPの1曲目に入っている10曲のメドレーをその順番通りに完全再現。それを終えた小池は「アンコールありがとう!」と叫び、ついで彼がバンドを始めたときのことを話し始めた。ライブハウスのステージに立っている友達のバンドを観たときに湧いてきた感情を口にしながら、「セールスとか、何万人呼べますとかじゃなくて、あの感じのままでいたいな」という気持ちで選んだ曲を歌い出す。 アコギのストロークとともに始まったのは「コーンポタージュ」。〈真っさらなものを見れるまで怒られるギリギリで歌おう〉と歌われるこの曲がじんわりとフロアに染み渡ると、いよいよ最後の曲。一気にメーターを振り切るような「もしもし?もしもさぁ」がオーディエンスの歌声を誘発し、LOFTはお祭り騒ぎに。小池はカメラマンからカメラを借り受けてフロアを激写しまくっている。このバンドらしい狂騒のうちに、ライブは幕を下ろしたのだった。 Text:小川智宏 <公演情報> 『the dadadadys 憂さ晴らせ♪ EP RELEASE TOUR』 12月13日(金) 東京・新宿LOFT 【セットリスト】 1. 嵐坊 2. 暖かい都会から 3. 奴隷の唄 4. ROSSOMAN 5. OS! 6. PUXXY WOMAN 7. にんにんにんじゃ 8. トリーバーチの靴 9. Pain Pain Pain 10. 青二才 11. (許) 12. あっ! 13. kill&miss 14. メアリー、無理しないで 15. 拝啓 16. じゃじゃ馬にさせないで 17. らぶりありてぃ 18. 忘れた 19. (茜) 20. 不透明恋愛 21. 高層ビルと人工衛星 22. しゃらら EN1. 地球終焉~mess.ns~危なくない恋、したくなくなくない?~アクモンの猿真似を島国でしてます~ダダトルファイト~イカれたブルース~MEGA NEGATIVE SPACE~空も飛べるはず~真 makoto~すなお EN2. コーンポタージュ EN3. もしもし?もしもさぁ <リリース情報> 配信EP『憂さ晴らせ♪ EP』 配信中 【収録曲】 M1. 地球終焉~mess.ns~危なくない恋、したくなくなくない?~アクモンの猿真似を島国でしてます~ダダトルファイト~イカれたブルース~MEGA NEGATIVE SPACE~空も飛べるはず~真 makoto~すなお M2. 嵐坊 M3. しゃらら <イベント情報> 『(粋)』 2025年1月26日(日) 東京・新宿LOFT BAR LOUNGE 開場0:00 / 開演1:00 出演:the dadadadys ※ゲスト / DJの詳細は後日発表