野村克也が語る「褒めることの難しさ」
「非難は期待の裏返し」と思って奮起したが……
阪神時代の新庄[左]を筆者はとにかく褒めた/写真=BBM
『週ベ』の編集者たちと「褒める」ということについて、話をしていた。すると既婚の女性ライターいわく、「夫の扱いは“褒めて育てる”です」。男は単純だから、「豚もおだてりゃ木に登る」なんだそうだ。そういえば、わが女房殿は私を決して褒めることはなかったが、うまいこと木に登らせたものだなあ。 さて、本題。「人間は無視、称賛、非難の段階で試される」という。 私がまさに、そうだった。高卒のテスト生上がりで、初めはまったく鶴岡一人監督の眼中になかった。箸にも棒にもかからず、「無視」されたということだ。 やがてプロ入り3年目のハワイキャンプで結果を出し、なんとか一軍でマスクをかぶることができるようになった。あるとき、鶴岡さんに「お前・・・
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週刊ベースボール