【オーストラリア】豪繊維再生サムサラ、日本企業の出資続く
兼松が出資するオーストラリアの環境技術スタートアップ企業、サムサラ・エコ(Samsara Eco)はこのほど、1億豪ドル(約107億円)の増資を行ったことが分かった。リサイクル繊維の開発で提携するカナダのスポーツ衣料ルルレモン・アスレティカが権益を引き上げたほか、日立製作所のコーポレートベンチャーキャピタル(VC)、日立ベンチャーなどが新たに出資した。27日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。 オーストラリア科学産業研究機関(CSIRO)のVCやシンガポール政府系投資会社テマセクの投資ファンドなども出資する同社には今回、日立ベンチャーや通信大手テルストラのVCも含む5社が新たに調達ラウンドに参加した。サムサラのライリー最高経営責任者(CEO)は、「循環経済での繊維業界の規制が厳しくなる中、わが社の技術への信頼感の表れだ」と述べた。 同社は、プラスチックをモノマーなどその構成要素に分解する独自の酵素リサイクル技術を持ち、ルルレモンとの提携により、再生向けのナイロンの構成要素抽出に成功している。ルルレモンは出資率を3%に引き上げた。 サムサラは、調達資金で東南アジアに大型製造工場を建設する予定。また、海外の自動車関連大手5社とも再生ナイロン利用での提携で協議を進めているという。