約30年ぶりの賃上げ率となった昨年に続き、今年も賃金上昇への期待が高まる経済界。春の労使交渉（＝春闘）が始まるのを前に、大和証券グループ本社・中田誠司社長に賃上げの見通しなどについて聞きました。（詳しくは動画をご覧ください）

■今年の賃上げは？

「私ども2年連続であの賃上げを実施してきたんですが、やはり間違いなくこれインフレになっておりまして、これ生活コストで考えると、そのインフレ率以上に上がってる実感があると思うんですね。だから、まずはインフレ率以上には絶対あげないと、これは実質賃金の目減りになりますので、それはやると。それ以降どれぐらいやるかということなんですが、やはり今、国が政府がですね、7％以上の賃上げで税制優遇制度をご用意してくださってるみたいなんで、せっかくやるんであれば、そういう優遇制度が使えるレベルぐらいまでやりたいなということで、7％以上の賃上げをする方向で現在検討を進めております」 「私が知ってる限りでは過去最高になるんじゃないかなと。去年が4％で、その前3.5％で、2年間で7.5％ですから、この2年分を一気にこの1年でやってしまうということなんで相当程度高い水準だと思いますよね」 「生産性が上がって、会社の収益上がって賃上げしますとこういうサイクルですよね。入り口をちょっと変えてみると、賃上げして、生産性上げてくれよと。上がった結果、収益が上がる。こっちからいっても同じ流れなんです。ですから、今原資がないわけじゃないんですけど、今の日本に必要なことは、どっちかっつったら後者ですね、まずいいから、賃上げをして、それでみんなで頑張って生産性を上げて収益を上げれば、また次の賃上げに繋がる。そっちの入り口から回すべきと思います」

■今年の景気について

「世界全体は、おそらく、いろいろなこと起きていますけれども、3％前後で成長して、日本もおそらく1％の半ばぐらいの成長率だと思います。それを受けての上場企業の企業業績は来年度も過去最高益を更新すると私どもは見ておりますので、そういう意味では、マクロもミクロも非常にいい年だと思います。」 「それと、今年は11月にアメリカの大統領選がございますので、世界最大の経済大国であるアメリカが、やはり大統領選に向けて経済政策で期待が出ますし、あと共和党民主党どっちが勝ったとしてもですね、大統領選後はですね、その期待からさらに株が上がると思ってますんで、今年1年は非常に上昇の年じゃないかなというふうに思っております」 「まさに上昇がキーワードで、要は物価が上昇する、金利も上昇する、賃金も上昇する、景気も上昇して、株価も上昇して、龍が天に昇ると、そういう年だと思います」

■日経平均株価について

「ちゃんとロジカルに計算しなきゃいけないんですが、過去最高益を更新する日本の企業業績からはじき出すと、無理のない数字で4万円という数字が出てきますので、アメリカの11月の大統領選以降ですね、更なる株高っていうのを私ども想定しております。年末に向けて4万円を超えてくるような場面もあるのではないかというふうに思っています」