【イマドキの大学ゼミ】大手金融機関を渡り歩いた教授から学ぶ、為替相場の分析 日銀のコンテストでも入賞
ゼミ活動が一番の「ガクチカ」
就職活動で求められる「学生時代に力を入れたこと(通称、ガクチカ)」では、ゼミで取り組んだことをアピールポイントにすることができます。苦労の多いゼミだからこそ、清水ゼミ生は緊張した面接の場面でも「ゼミ仲間と意見が衝突したときにどのように自分の意見を伝え、相手の言い分に耳を傾け解決したか」「友人、先輩、親などに協力してもらいながら、どのようにアンケートやインタビューを実施したか」を話すことができます。 「清水教授は『大事なのは為替相場予想を当てることではなく、どういった手法で予想したか、どのように問題を解決したかというアイデア』と言います。成果をまとめて発表する際も、ロジックが成り立っていないとすぐに清水教授から指摘されます。どうやったら聞き手が納得する話し方ができるのか、的確なアドバイスをもらえたことで、プレゼンテーション能力を磨くことができました。学生生活を通して全力でゼミをやった、と胸を張って言えます」(藤田さん)
為替相場の分析から得た、論理的思考
藤田さんは高校3年の夏、志望校として学習院大学を調べているときに「円・ドル(為替)予想をする」というゼミの紹介文が目にとまり、清水ゼミに入りたくて経済学部への進学を決めました。清水ゼミに惹かれた理由は「実用的で役立ちそうだったから」です。 実際、為替相場は個人の生活では資産運用に関わってきますし、企業では貿易や海外生産ネットワークなどあらゆる経済活動に関わってきます。為替相場が動くとどうなるか、論理的に考えられるスキルはどのような職業でも必要不可欠な能力です。そのスキルを持った清水ゼミOB・OGの就職先は、金融庁や特許庁などの公務員、IT やコンサルティング企業、サービス業など多岐にわたります。 藤田さんが希望する就職先は、情報システムの構築や運用などを一括して請け負うシステムインテグレーターの業界。ゼミで国際金融の基礎的なことを学び、為替相場を通して世界各国の経済情報に触れ、経済問題について考えるうちに、自然と進みたい道が見えてきたそうです。 「ひとつの作業に多くの時間を要したり、人員配置が適切ではなく属人化や作業量の偏りがあったりする、非効率な業務を効率化することが、いま、多くの日本企業が抱える課題解決につながると考えています。非効率をなくすことによって、社会の一員としての価値を提供していきたいです」(藤田さん)
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