新1万円札の「7」番、佐賀県唐津市に寄贈 裏面の東京駅デザイン・辰野金吾の地元に 日本銀行
新紙幣の発行が始まった3日、日銀は記番号が「7」番の新1万円札を唐津市に贈った。裏面に唐津出身の建築家辰野金吾の代表作である東京駅がデザインされていることにちなみ、若い記番号の新札を配布した。 紙幣の表面には、左上と右下にアルファベットと数字を組み合わせた記番号が刻まれている。同じ種類の紙幣には全て違う記番号が印刷され、唐津市には「AA000007AA」が贈られた。 東京駅丸の内駅舎は辰野の設計で1914(大正3)年に完成し、明治・大正期を代表する建築の一つ。新1万円札の裏面の左側に加え、右下にも薄く描かれている。 辰野は1万円札の肖像となった渋沢栄一との関わりも深く、辰野の最初の設計である銀行集会所(現存せず)は第一国立銀行頭取であった渋沢が依頼し、渋沢邸(同)も設計している。建築工事顧問を務めるなど25年にわたって日銀の建築物にも関わり、本店本館ほか、京都や小樽(北海道)などの支店が現存している。 辰野を顕彰している唐津市のNPO法人「唐津赤レンガの会」(田中勝会長)などが日銀に若い記番号の新札の提供を要請していた。同日、日銀本店新館で植田和男総裁から受け取った峰達郎唐津市長は「大変光栄」として日銀へのお礼と同会などへ敬意を表すコメントを出した。 日銀は新紙幣の広報の一環で、一般公開を前提に関係の深い自治体などに若い記番号の紙幣を贈呈している。(宮﨑勝) 新1万円札の他の贈呈先は次の通り。 貨幣博物館(1番)、東京商工会議所(2番)、JR東日本(3番)、国立印刷局(4番)、公益財団法人渋沢栄一記念財団(5番)、渋沢の出身地の埼玉県深谷市(6番)、金融資料館(10番)
宮崎勝