福島県いわき市「交流スペース勿来(なっくる)」 12月26日で営業終了 施設の老朽化で移転決断
人々の憩いや触れ合いの場として親しまれた、福島県いわき市勿来町の「交流スペース勿来(なっくる)」が、26日で現在の場所での営業を終える。運営するNPO法人勿来まちづくりサポートセンター理事長の舘敬さんは「残念という声を頂くが、次のステップに向けた決断」と前を向く。 2019(令和元)年10月、勿来県立自然公園内の旧国民宿舎施設を利用して、交流促進の多目的施設として開設された。眼下に太平洋を一望できる景色の中で発酵食を提供するカフェや宿泊設備のある施設が好評で、各種メディアにも取り上げられるなど好調な滑り出しだった。 しかし翌年からの新型コロナウイルス感染の流行が影響する。自粛ムードで客がいない日が続くこともあり、もう辞めようかと何度も思ったという。するとその度に電話が鳴り予約が入る。「神様が続けろと言ってるのかな」。歯を食いしばり営業を続けた。 新型コロナが5類移行となり、徐々にカフェの客足やイベントを開催したいとの問い合わせが増えた。しかし老朽化した施設の維持、補修には限界があり、移転を決心した。舘さんや同店スタッフで発酵食品ソムリエの栗原麻美さんは「多くの方の支えでここまでやってこられた。必ず地元で再開する」と決意を新たにしている。