今季限りでユニフォームを脱いだ巨人・原辰徳監督。巨大戦力を自在に操りかつては優れていた決断力【伊原春樹の野球の真髄】
今季限りで監督の座を退いた巨人・原監督[写真=高塩隆]
今から17年前、2006年のことだ。04年限りでオリックス監督を辞し、野球解説者だった私はラジオの仕事で阪神対巨人を解説するために甲子園球場を訪れた。 「俺が巨人戦を見るたびにスタメンが変わっているね」 試合前の打撃練習中、原辰徳監督の下へあいさつに行き、こう問い掛けた。すると「そうなんですよ。あっちが痛い、こっちが痛いというケガ人ばかりで。スタメンで元気なのはスンちゃん(イ・スンヨプ)と二岡(二岡智宏)くらいですよ」と指揮官は苦虫を噛みつぶしたように答えた。巨人監督2期目の初年度。思うようにチーム状態が上がらずに苦しんでいた。練習時間が終わり「暑いけど頑張ってください」とエールを送ると、「伊原さん、またあらためて連絡をします」と原監督から言葉を返された。 9月に入り・・・
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週刊ベースボール