米の産地品種934に増 収穫量が多い品種目立つ 24年産
2024年産の水稲うるち玄米の産地品種銘柄の数は、前年比6増の934となった。業務筋からのニーズが見込める「にじのきらめき」「ICS6号」といった多収性品種を中心に、新規設定が進んだ。24年産は11が追加、5が廃止され、全体では16年連続の増加となった。 【全934産地品種】道府県ごとの一覧表 比較的値頃な銘柄の引き合いが強まる中、多収性品種を新たに設定する動きが目立った。多収性に加え、高温耐性を備える「にじのきらめき」が、福島、長野、山口、香川、愛媛の5県で新たに設定され、21県まで拡大。「24年産以降も猛暑の影響が不安視される中、安定した品質や収量が見込める銘柄への期待は大きい」(大手米卸)という。福井で先行して設定されていた多収の「ICS6号」が、茨城、新潟で加わった。 初めて産地品種銘柄に設定されたのは4銘柄。北海道で多収性の「そらきらり」を設定した他、秋田で「あきたこまち」の変異株として知られる「ズッパーサン」、埼玉で高温に強い「えみほころ」、宮崎で米粉用に用途を広げている「ひなたみのり」が加わった。 廃止されたのは5銘柄。兵庫で「ゆかりの舞」など3銘柄が廃止され、愛知「和みリゾット」、愛媛「みつひかり」が廃止された。 名称を変更したのは、滋賀の1事例だけで、「滋賀83号」が「きらみずき」となった。
<ことば>産地品種銘柄
農産物検査で「〇〇県産コシヒカリ」などと産地と品種名を合わせて銘柄認証を受けるためには、「産地品種銘柄」の設定が必要。産地から申請を受け、農水省が設定する。
日本農業新聞