<甲子園交流試合・2020センバツ32校>真夏の球春、きょう開幕 泣くか笑うか、32校一発勝負
2020年甲子園高校野球交流試合(日本高校野球連盟主催、毎日新聞社、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は10日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で始まり、10~12、15~17日の6日間、招待された今春の選抜大会出場32校が各1試合ずつ計16試合を行う。今年はセンバツ、夏の選手権が相次いで中止となったが、球児たちのプレーが甲子園に戻ってくる。 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら 開会式は午前9時15分から実施し、開幕試合の2校が32校を代表して参加。大分商の川瀬堅斗(3年)、花咲徳栄(埼玉)の井上朋也(3年)の両主将が選手宣誓を行う。 ベンチ入りは春夏の甲子園より2人多い20人で、メンバー変更は試合日前日の午前9時まで認められる。試合は延長十回からタイブレーク制を導入。1週間で500球以内の投球数制限は、都道府県高野連が実施している独自大会の日程も含めてカウントされる。 選手が試合前と試合後にホームベースを挟んで行うあいさつもあり、勝利チームの校歌斉唱も行われる。一方、新型コロナウイルスの感染防止対策として前の試合の選手が全て退場した後に次の試合の選手を入場させたり、ベンチの消毒も行ったりすることで時間を要するため、今回は試合終了後に選手が甲子園のグラウンドの土を集めることは控えるよう、日本高野連が呼びかけている。 入場者は原則無観客だが、控え部員と部員の保護者・家族(部員1人につき5人以内)、野球部指導者の家族(1人につき5人以内)と教職員に限って認め、熱中症予防のため通常のアルプス席ではなく、日陰になりやすい一、三塁側の内野席で、席の間隔を空けて観戦する。試合はNHKのテレビ、ラジオなどで生中継され、毎日新聞ニュースサイトなどが運営する「センバツLIVE!」でもライブ配信される。 新型コロナウイルス感染者などが出て参加できないチームが出た場合は、試合日の3日前までなら1月の出場校決定の際、選ばれた補欠校が出場し、試合日の2日前か前日なら実行委員会で決定する。【藤田健志】 ◇メンバー選び、各校頭悩ませ 出場32校のメンバー選びから、各校のさまざまな狙いが透けて見える。 8日時点の登録選手をセンバツ中止決定時と比べると、11校がベンチ入り予定だった18人をそのまま残した。けがなどで1~2人が外れただけのケースも13校あり、大半がセンバツを踏襲した形だ。多くが「センバツの代替試合なので、センバツを勝ち取ったメンバーで」(日本航空石川・中村監督)と考えたようだ。智弁学園(奈良)のように独自大会は3年生のみで戦い、交流試合は2年生を含むセンバツのメンバーにした学校もあった。 増えた2人の枠の使い方も考え方が分かれた。3年生を入れる学校が目立ったが、1学年12~13人の智弁和歌山は1年生2人を入れた。中谷監督は「実力で選んだが、下級生に経験を積ませることも考えた」と次代を見据えた思惑を明かす。 残る8校はセンバツから3~4人を外した。中京大中京(愛知)は「3年生中心に戦ってきたので」(高橋監督)と3年生のみを登録。一方、山梨学院は3年生4人を外し、1年生4人、2年生2人を入れた。吉田監督は「3年生だけでなく、下級生もチャンスを失っている。感染の第2波が来れば来年の大会開催への不安もある。本来の夏の大会だと仮定して選んだ」と説明する。 選考を巡り、多くの監督が頭を悩ませたはずだ。星稜(石川)の林監督は当初「不遇の3年生が悔いなく高校野球を終えられるように」と3年生のみで編成するつもりだったが、3年生の「甲子園で真剣勝負をしたい」との熱意を感じて方針を転換した。鳥取城北も選手へのアンケートで「学年は関係なく競争したい」との回答が多数を占めたため、実力に基づく選考にかじを切った。【石川裕士】 ……………………………………………………………………………………………………… ◇センバツLIVE! ニュースサイト「毎日新聞」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)と「Yahoo!JAPAN」が運営する「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)で展開する「センバツLIVE!」では、センバツ交流試合の全16試合をライブ中継します。センバツLIVE!は、パソコンやスマートフォンで、いつでもどこでも無料でお楽しみいただけます。勝負の裏側に迫った最新のニュースや写真特集など、試合の情報が盛りだくさんです。センバツ交流試合にご注目ください。