JR新快速にタイムはボロ負け 大阪姫路間で阪神・山陽直通特急が持つ競争力 1dayチケットで強み発揮
実は直通特急は速い?
鉄道ファンの間では「直通特急=新快速よりも遅い」という図式が定着していますが、見方を変えると直通特急は新快速と同等の速達性を担保する列車でもあります。 山陽明石~西代間を見ると、JRの駅から距離があり、比較的乗降客数が多い駅として滝の茶屋駅(神戸市垂水区)、板宿駅(神戸市須磨区)が挙げられます。 滝の茶屋駅は朝夕ラッシュ時・夜間、板宿駅は終日にわたって直通特急が停車します。滝の茶屋駅から大阪梅田駅までは約50分(9時台)、板宿駅から大阪梅田駅までは約45分です。 JRを利用すると、乗り換えが必要です。乗り換え時間を含めると滝の茶屋駅から大阪駅までが約60分(9時台)、板宿駅から大阪駅までは約40分です。 山陽明石以東では山陽の線形が悪く、JRは複々線でかつ線形が良いため、JRの方が速達性に優れます。とはいえ、大阪梅田駅まで直通する直通特急があるからこそ、滝の茶屋駅・板宿駅~大阪間で互角に渡り合えるのです。 一方、運賃は滝の茶屋~大阪梅田間790円、板宿~大阪梅田間650円です。JRですと滝の茶屋~大阪間は870円(神戸三宮駅乗り換え)、板宿~大阪間700円(神戸市営地下鉄利用)です。運賃ですと、山陽は優位に立ちます。 つまり、直通特急は割引切符の活用することで、JRとの競争力を維持しています。また、JRの駅から離れた山陽明石駅以東の主要駅では所要時間の点からもJRと互角の勝負を繰り広げているのです。このように見ていくと、直通特急はなくてはならない重要な列車です。 (まいどなニュース特約・新田 浩之)
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