新幹線開業後初の越前がにシーズン 観光客誘致の動きが活発に
FBC福井放送
新幹線が県内開業して初めての越前がにシーズンに港町は活気づいています。観光客の増加を狙って店をリニューアルしたり、お得なキャンペーンを展開したりと、各地で観光客誘致の動きが活発となっています。 昼過ぎの越前漁港。今シーズン初めての越前がに漁を終えた底引き網漁船が次々と港に戻ってきました。 水揚げされたのは黄色いタグが目印!待ちに待った冬の味覚の王者「越前がに」です。 競りに向け、漁師と家族が総出で準備に追われました。 解禁から2日遅れの出漁となった今シーズンの越前がに漁。初日は、網入れが2、3回と短時間の操業となりました。 ■漁師 「変則的な時間帯だったからまあこんなもの」 「 風もあったし、うねりもあったが、みんな安全に操業できたのでよかった。数的にはいい感じで獲れてこれからも期待大」 午後3時半からは初競りがスタート。観光客で賑わう週末に向けて、仲買人が水揚げされたばかりのカニを次々と競り落とし、漁港は活気に包まれていました。 ■仲買人 「本当に待ちに待っていた。お客さんもたくさん待っている。早く食べたい、早く食べたいというので、本当に早く出したい」 新幹線が開業して初めて越前がにシーズン。坂井市三国町の飲食店「みくに隠居処」では店内をリニューアルしました。 ■みくに隠居処 伊藤俊輔代表 「一人旅の客がすごく増えてきて、カウンター席が必要かなと思って8席作った。工事は10月下旬に終わって、カニシーズン目がけて工事が終わるようにした」 座席は、テーブルのみの20席からカウンターを含めた28席に。カウンターの内側ではカニをあぶったり揚げたりと「ライブ感」のある食事を提供します。 ■伊藤代表 「50人くらいは予約入っている。大変なことになると思う。もう半端じゃない」 早くも関東圏からの予約や問い合わせが相次いでいて、手応えは上々ということです。 ■伊藤代表 「今まで来られなかったエリアからもたくさん客が来ると思うので、福井の魅力をより多くの人に、越前がに通じて発信していければと思う」 こちらは越前町の温泉つきの料理旅館「いまい」。これまでは関西や中京方面からの観光客が多かったということですが、新幹線の県内開業を受けて、関東からの観光客の割合が全体の半数近くまで増えているということです。 ■料理旅館いまい 今井美子さん 「今までエリア外の埼玉ですとか千葉、神奈川のお客さんもだいぶ来てもらえるようになったなと。やはり新幹線効果が大きいと思う。週末を中心にたくさんの予約をもらっている」 新幹線駅から距離があって立地的に不便な越前町。路線バスの便も少なく、いわゆる2次交通が課題です。 そこで力を入れているのがレンタカー利用のキャンペーンです。 キャンペーンはレンタカーで越前町を訪れ、対象となる店舗で宿泊や食事・買い物をした場合に、利用者にキャッシュバックする仕組みです。 5000円以上の消費で2000円。1万円以上の消費で4000円のキャッシュバックが受けられます。 町の観光連盟によりますと、関東からの利用がおよそ6割を占めていて、今年度は昨シーズンの3倍にあたる1500件の利用が見込まれます。 夕方、越前町内の鮮魚店では次々とカニをゆで上げる光景が見られました。 ■鮮魚店 「あす店頭にいっぱい並ぶので、ぜひみなさんに来てほしい」 開業効果で観光客の増加が期待される今シーズン。港町は活気と期待に溢れています。