野茂、イチローら選手に取材、人の心開く技術話す 作家の小松さん 三重・松阪
内外情勢調査会の例会で インタビュー嫌いの人から学び
内外情勢調査会松阪支部の例会がこのほど、三重県松阪市中央町のフレックスホテルであり、ノンフィクション作家・小松成美さん(62)が、「人の心を開く技術」を演題に話した。
GReeeeN、ヒデ、YOSHIKI、あゆらの本も
小松さんは横浜市生まれ。広告会社、放送局勤務などを経た後、作家に転身。1990(平成2)年から本格的な執筆活動を始め、多くの人物ルポルタージュ、スポーツノンフィクションなどを執筆。現在、執筆の他、テレビ番組のコメンテーターや講演など多岐にわたる活躍をしている。著書に「それってキセキ GReeeeNの物語」(双葉社)、「中田英寿 鼓動」(幻冬舎)、「YOSHIKI/佳樹」(角川書店)、「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)などがある。 講演では、1万人以上に対する取材や、インタビュー嫌いで有名なスポーツ選手との出会いで得たコミュニケーションスキルを紹介した。 小松さんは取材が困難といわれていた3選手から最も大切なことを学んだという。
「素直な思いを素直な思いで伝える」──野茂英雄さんに学ぶ
1人目は元プロ野球選手の野茂英雄さん(55)。野茂さんは「トルネード投法」という独特なフォームで日本プロ野球、メジャーリーグで活躍した。小松さんは彼の取材から「素直な思いを素直な思いで伝える」ことを学んだ。 小松さんが取材したのは、海を渡る前の近鉄バファローズ在籍時代。野茂さんの高校時代のノンフィクションを書くため、90分の時間を与えられた。 しかし、小松さんが事前に調べたノートを振り返り、野茂さんが「小松さんが言うならそうなんじゃないですか」とほとんど相手にされず、時間に。去ろうとする野茂さんに小松さんは本心を伝えた。野茂さんの大ファンであること、日米野球を通じてメジャーリーグを知り、将来、野茂さんが活躍する姿を夢見ていること。 すると、野茂さんは「小松さん、メジャーリーグ好きなんですか」と話が弾み、予定を先送りにして取材時間を確保してくれたという。自分の思いを率直に言葉にすることが、相手の心を開く鍵になる。