“高校野球OBの甲子園” 長野県大会は5月5日開幕、25校が参加
少年野球の人気復活を懸ける“高校野球OBの甲子園”への挑戦が5月から長野県で始まります。子どもたちの間での野球の不人気を何とかしようと昨年発足した長野県高校野球OB連盟(池口良明会長、30校加盟)は、すでに高野OBの全国大会「全国マスターズ甲子園大会」(11月開催)への出場を決定。これに伴い3月31日に開いた役員報告会で、県代表チームを決める県大会の正式日程を決めました。「まず自分たちが頑張って、野球を子どもたちに選ばれるスポーツにしよう」と決意を固めています。
8月25日に県大会決勝
松本市で開いた役員報告会には長野県全域の高校野球OBやOB連盟役員ら50人が集まり、「マスターズ甲子園2018長野大会」となる県大会について、(1)長野県高校野球OB連盟主催で5月5日開幕とし、7月までに準決勝開催、(2)決勝は8月25日(土)とする、(3)会場は、綿半飯田野球場(決勝会場)、長野オリンピックスタジアム、松本市野球場、長野県営野球場、大町市営球場とする――などを決定。
県大会への参加はOB連盟加盟30校のうち25校とほとんどを占め、連盟は「立ち上がりの大会の参加校の多さが全国で注目されている」と長野大会に期待します。 報告会では長野県を中・南部(中南信)と東・北部(東北信)の2ブロックに分けた地区予選トーナメント表や大会日程の詳細、大会実施要綱なども決め、財務対策なども協議して実行態勢を固めました。 長野大会規則は、(1)出場資格は高校軟式野球部部員、監督、コーチ、マネジャーのOB・OGであること、(2)チームの選手数は34歳以下が11人、35歳以上が12人の最低23人でベンチ登録する。ただし34歳以下の選手の代わりに35歳以上の選手を充てることができること、など詳細を定めています。 OB連盟の池口会長は会議冒頭のあいさつで「長野県では野球がマイナースポーツになってしまった。子どもたちから選ばれるスポーツにしなければいけない。大会運営などでは広告集めや資金対策も大変だが、個人や企業の援助をお願いしたい」と述べ、熱心なOBから多額の寄付があったことも紹介しました。 長野の高野OBが動いた背景は、小中学生の野球人気が低迷し始め、野球関係団体への小中学生の登録が2010年以降数年の間に大きく落ち込んだことなどが挙げられています。少子化やスポーツの多様化などが指摘されているものの、他のスポーツでは大きな変動がないことから高野OBの危機感が募っていました。 野球の指導方法がチームによって異なることや、野球関係の団体の複雑な関係などがほかのスポーツの環境と異なるなどと指摘する向きもあり、OB連盟は「野球関係の団体や指導者らが共通認識に立って野球に取り組めるよう努めていくことが大切」としています。