「よく焼けていて『おいしそう』な うつわが好き」…賢者が伝授する 間違いのない選び方&好みのうつわ
「多用的に使う感覚」を持ってうつわを選ぶ
うつわを選ぶとなったら、多目的に使えるものが選ばれがちではないでしょうか。それもいいのですが、私は多目的というより「多用的に使う感覚」を持っていただきたいと思っています。単なる小皿でも取り皿として使うだけでなく、ガラスコップの受け皿やソーサー的に使ってもいいし、小鉢の下皿にしてアクセントにしてもいい。そんな取り合わせもうつわの楽しみ方ですし、見立ての面白さでもある。いろんな使い方を自由に発想し、見つける楽しさを知っていただきたいんです。 「荻窪 銀花」はガラスのうつわにも力を入れています。吹きガラス(※ガラス成形技法のひとつで、パイプに息を吹き込んで作るもの)は手仕事ならではのぬくもりがあって、おいしい口当たりを直接感じられるものですね。焼き物にはない魅力があり、夏だけでなく四季を通して使ってほしい。マグや湯呑み同様、マイグラスもぜひ気に入ったものを見つけて、暮らしに取り入れてほしいと思います。 白央篤司 フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
白央篤司