【長崎】日本被団協ノーベル平和賞授賞式 長崎で被爆 田中熙巳代表委員(92)が演説
NCC長崎文化放送
日本被団協へのノーベル平和賞の授賞式が日本時間の昨夜、ノルウェーのオスロで行われました。長崎で被爆した田中熙巳代表委員(92)が世界に被爆の実相と核兵器廃絶を訴えました。 【写真】日本被団協ノーベル平和賞授賞式 長崎で被爆 田中熙巳代表委員(92)が演説
ノルウェーのオスロで10日に開かれた授賞式には約1000人が出席しました。代表委員の3人が登壇し、賞状とメダルが授与されました。 日本被団協田中熙巳代表委員(92): 「私は長崎原爆の被爆者の一人であります。13歳の時に爆心地から東に3キロ余り離れた自宅で被爆しました」 3日後、爆心地付近に住んでいた二人の伯母の安否を確かめようと母と浦上を訪れた時…。 「麓に降りていく道筋の家はすべて焼け落ち、その周りに遺体が放置され、あるいは大けがや大やけどを負いながらなお生きている人々が誰からの救援もなく放置されておりました。私はほとんど無感動になり、人間らしい心も閉ざし、ただひたすら目的地に向かうだけでした。一人の伯母は、爆心地から400メートルの自宅の焼け跡に大学生の孫とともに黒こげの死体で転がっていました。もう一人の伯母の家は倒壊し、木材の山になっていました。伯母は大やけどを負い私たちの着く直前に亡くなり、私たちの手で野原で荼毘にふしました。 たとえ戦争といえどもこんな殺し方、傷つけ方をしてはいけないと、強く感じたのであります。人類が核兵器で自滅することのないよう。そして核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう。ありがとうございました。」 拍手はやまず、1分30秒余りにわたるスタンディングオベーションとなりました。 被団協の代表団は、12日までオスロに滞在し、核兵器の廃絶などを訴え続ける予定です。
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