【さあ、投票へ。】衆院選 佐賀2区 残る豪雨の爪痕 相次ぐ水害への対策は 候補4人の訴え
FBS福岡放送
衆議院選挙の投開票は27日、あと3日に迫りました。佐賀県西部の佐賀2区には届け出順に、自民前職の古川康氏(66)、立憲前職の大串博志氏(59)、共産新人の井上祐輔氏(38)、参政新人の下吹越優也氏(31)の4人が立候補しています。大雨による被害が多発した佐賀2区。候補が掲げる災害対策に注目しました。
こちらは、佐賀県唐津市浜玉町の「今坂神社」です。 ■神社を管理する筒井純一さん(71) 「裏の川から材木とかが流れてきて(本殿は)柱が10センチくらいずれている。」 今も色濃く残るのは、1年3か月前の災害の爪痕です。 去年7月、九州北部を襲った記録的な大雨で、佐賀県唐津市浜玉町では土石流が発生し、3人が命を落としました。今坂神社には、裏にある川があふれて大量の水が流れ込み、社殿が崩れ落ちました。灯籠の一部は神社から100mほど先に流されたままです。 ■筒井さん 「一番大事なところが倒れているから、何とも言葉に表わせない。不安ですね。」
神社の復旧は費用の負担が重くのしかかり、思うように進んでいません。あふれた川は復旧工事の途中で、二次災害の懸念がつきまといます。 ■筒井さん 「現状復帰だから川幅も狭いままの状態。それを広くしたらもう少しいいのかなと思うのですが。一日でも早く、川の復旧をしてもらいたいことを切に願いたい。」
佐賀2区の地域では、3年前にも武雄市で大規模な浸水被害が起きるなど大雨災害が相次いでいます。地元にとって切実な水害対策。今回、立候補した4人はどんなことを訴えているのでしょうか。 立憲民主党の前職で、7期目を目指す大串博志さんです。党の代表代行かつ選挙対策委員長として全国の仲間の応援に飛び回っていますが、その合間を縫って地元入りしています。 大串さんは、地域に寄り添った対策の強化が必要だと訴えます。唐津市浜玉町の被害については。 ■立憲前職・大串博志氏 「相当強固な砂防ダムなりを整備していかないとならないことが今回分かったので、地域に応じた土砂災害対策などを強化していく必要がある。」 政権与党の対応が遅かったとも批判しています。 ■大串氏 「今でも1年前の災害の復旧がなされていない面がたくさんあります。あるいは予算面においても十分でなかった面が。これまでの自民党政権にはしっかり反省をしていただきたい。」 大串さんと4度目の対決となる自民党の前職、古川康さんです。初めて立候補した時には大串さんに小選挙区で勝利しましたが、その後は連敗を喫しました。3期ぶりの小選挙区での勝利を目指します。 国土交通大臣政務官を務めた経験がある古川さんは、災害の発生を未然に防ぐためのハード面の整備を強化すべきだと訴えています。 ■自民前職・古川康氏 「今、日本の防災対策はいっぺん災害が起きないと災害復旧してくれない。災害が起きる前に起きないように事前に防災事業をやっていく。」 災害への意識を変えるソフト面の対策も重要だと指摘しています。 ■古川氏 「災害は自分ごと化して、自分のことだと考えるということを訴えています。例えば避難をしてくださいと話があった時に、避難をする人の数も増えていくでしょうし。」 前回は擁立を見送った日本共産党からは、新人の井上祐輔さんが立候補しています。水害対策として重視しているのは避難計画の見直しです。 ■共産新人・井上祐輔氏 「避難をする場所がもともと、水没をする地域がたくさんあるので、住民の皆さんの命を守れるような対策になっているのか見つめ直す必要がある。」 参政党の新人、下吹越優也さんは、国がもっと自治体を支えるべきだと訴えています。 ■参政新人・下吹越優也氏 「排水の問題であったり、やっぱり国が支援を行って、自治体ではなかなかお金がないので厳しい状況だと思うので、国が積極財政でお金を出すということが大事だと思っています。」 大雨や地震にどう備えるのかは佐賀2区だけの課題ではありません。全国の有権者がそれぞれの候補者や政党が訴える災害対策を注視しています。