元駐台湾代表が語る“台湾にできて日本にはできない”迅速かつ的確な地震対応の背景とは「ひとことで言うと政府が持つ透明性の差です」
台湾政府が持つ「透明性」とは?
ただそれも二次災害の予防において一刻を争う中、財産より人命を優先させるというスピードを重視した危機管理意識の表れと言えようか。なぜ、これほどに対応が速く的確であるのか。元大使は、「ひとことで表すと台湾政府が持つ透明性です」と断言した。 透明性とはどういうことなのか。 「危機管理をする上で透明性があることが、社会の効率性に繋がるんです。これは台湾が国民党の一党独裁であった時代から、長年にわたって市民が勝ち取ってきた民主化の成果です。 それによって政府に透明性がもたらされた。台湾民主化のプロセスで、政府が何か隠しごとをするとめちゃくちゃに叩かれるんですよ。それによって国民党と民進党の二大政党制の中で、『隠すことは損だ』という意識が熟成されたわけです」 透明性によって社会的危機を乗り切る。その台湾の姿勢は地震以前、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス(Covid-19)の感染対策においても見ることができたという。 台北に設置された中央感染症指揮センターの陳時中・衛生福利部長は、ピーク時の130日間、連日連夜会見を開き、常に情報を開示してきた。 2020年4月に3日連続で新規感染者ゼロを記録し、「台湾はコロナに勝った」と世界に言わしめた日の会見では、「この結果の勝因は、決して我々行政の指導にあったのではなく、現場で献身的に従事された医療関係者、そして感染拡大抑止のために協力してくれたすべての市民の皆さんの中にある」として謝辞を出している。 当時、台北にいた泉氏は、この中央感染症指揮センターの記者会見を、主要テレビ局が毎日すべての質問が終わるまで中継し続けていたことに大きな感銘を受けたという。 会見はネットでもすべて配信されており、テレビ局が視聴率を重視するならば、退屈とも言える連日の質疑応答に視聴者に飽きられてチャンネルを変えられることを恐れるものだが、コロナ禍が小康状態になってもそれは続いた。 「情報を常に開示し、記者からの質問にもすべて答えようとする政府と、それをまた商業主義に堕落せずに放送し続けた放送局との間に信頼関係を感じました」
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