【ストリート編】イギリス人レーサーがスズキGSX-8Rを斬る「レッドまで回さず、豊かな中回転トルクで走ると最高に気持ちいい!」
スズキの最新フルカウルスポーツ「GSX-8R」を一般道とサーキットでテスト
イギリスのモーターサイクルジャーナリストで、マン島TT参戦経験もあるレーシングライダーのアダム・チャイルド氏による最新バイクインプレッション。 今回はスズキの新型フルカウルスポーツ「GSX-8R」を、スペイン・モンテブランコサーキットとその周辺のワインディングでテストした。 【画像14点】令和のナナハンスポーツ!? スズキ新型GSX-8Rを写真で解説 2023年に発売したミドルクラスネイキッド「GSX-8S」に続いて、スズキは2024年モデルとして、フルカウルバージョンとなる「GSX-8R」をリリースした。エンジンはGSX-8Sと同じ最高出力59kW(80ps)の775cc並列2気筒だが、新たにショーワ製前後サスペンションを装着するとともに、フルカウルによるスポーティな外観を持ち合わせている。 GSX-8Rは、クイックシフター、電子制御デバイス、ライディングモードを標準装備するほか、エルゴノミクスはGSX-8Sの美点を受け継いでいる。ハンドルバーの位置は低くなっているが、シートとステップの位置は同じだ。 そのGSX-8Sについて、スズキは「通学通勤などの街乗りからサーキット、そしてスポーツツーリングまで、ユーザーのあらゆる用途に対応する」と説明している。 GSX-R600やGSX-R750が姿を消してしまった今、スズキの言うことが本当であれば、GSX-8Rはサーキット走行も楽しめる貴重なミドルスポーツである。そのポテンシャルはどうなのか──私はGSX-8Rをテストするため、試乗会場のスペインに向かった。 モンテブランコ・サーキットでGSX-8Rはスペインの早朝の日差しを浴びていた。その姿はたしかに私たちの目を引くに十分だった。コンパクトに均整のとれたマシンで、仕上がりも美しく、第一印象はすこぶるいい。ヨーロピアンなルックスに違和感はないが、縦2灯ヘッドライトのデザインには賛否ありそうだ。 一目見ただけで、ベースマシンがGSX-8Sだとわかる。とくに燃料タンク、サブフレーム、テールセクション、180サイズのダンロップ製ロードスマート2を装着したリヤタイヤはGSX-8Sと同じである。その違いは前後サスペンションがKYB製からショーワ製となったことだけだ。