トヨタがBYDの技術を採用で大きな波紋!日本メーカーが中国テック企業に秋波を送る意味
■BEVメーカーの淘汰が進み強い者が勝ち残る 一方、ジャパンモビリティショー2023での「中国のBEVはスマートフォンのアイコンを並べているだけで技術的な驚きはない」というソニー・ホンダモビリティの川西泉社長の発言が、中国で物議を醸した。 たしかに、中国ではBEVメーカーが乱立し、車載・コネクテッド技術にバラツキがあることは否めない。しかし、メーカーの淘汰は進んでおり、強い者がますます強くなり、そうでない者との格差が広がる「マタイ効果」が顕在化しつつある。
ファーウェイは、独自のスマートモビリティソリューションの「鴻蒙智行(HIMA=ハイマ)」を地場自動車メーカーに提供し、ファーウェイ色の濃いスマートカー連合を確実に拡大させている。 中でも「問界」「智界」など、HIMA系列ブランドの販売台数は2024年1~4月に計12万台に達し、中国新興勢の首位に躍進した。 バイドゥは、中国大手の吉利汽車(ジーリー)と合弁で「極越汽車(ジーユェ)」を展開し、2023年11月にLiDARを利用しない高度自動運システムを搭載するBEV、「極越01」を投入。アリババグループと上海汽車(シャンハイ)、張江高科技の3社共同で設立したBEVメーカー「智己汽車(IM Motors)は、2022年に高級BEV「智己L7」を生産開始した。
スマートフォン大手のシャオミが今年3月末に発売した同社初のBEV「SU7」は、家電やスマホなど各種デバイスが連動する機能を導入し、「走るスマホ」を目指している。 自動車の知能化が進む中、通信技術やIoT(モノのインターネット化)などの技術との親和性が高いテック企業は、現在の流れを商機と捉えているようだ。 車両の電動化を前提とするコネクテッドカー市場は、エンジン車生産と異なるコンセプトでルールチェンジされ、新たな口火が切られたといえる。ファーウェイ、バイドゥ、シャオミなど異業種から参入した企業が、本業のエコシステムを活用し、斬新なデザインや機能で消費者の目を奪っているのだ。