マカオの2024年7月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前年プラス、翌月も良化見通し
マカオ政府統計・センサス局は9月19日、今年(2024年)7月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。マカオのツーリズム市場において7~8月は夏休みシーズンのハイシーズンにあたる。 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前月から7.4%上昇。ジャンル別では茶餐廳とチャイニーズスタイルの酒楼・飯店がそれぞれ7.8%、7.3%の上昇だった。また、小売業者の売上額も5.4%上昇。ジャンル別では自動車、成人ファッション、コスメティック・衛生用品がそれぞれ38.4%、19.0%、18.4%の上昇。 前年同月と比較した売上額については、飲食業で13.3%下落、小売業についても26.4%下落。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店、日韓レストラン、西洋スタイルのレストランがそれぞれ18.3%、17.0%、14.2%の下落。小売業では時計・ジュエリー、革製品がそれぞれ39.1%、32.1%の顕著な下落だった一方、自動車は80.8%上昇。 7月と比較した8月の見通しについては、飲食業の31%が上昇、17%が下落、小売業では35%が上昇、15%が下落とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の46%と西洋スタイルのレストランの40%、小売業のうちコスメティック・衛生用品小売の60%、革製品小売業の57%、百貨商の50%が上昇と回答。 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が56.9、小売業が60.0で、いずれも基準値となる50を上回り、7月に比べて8月の売上が良化するとみていることを示す結果に。 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。 マカオでは昨年1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。今年1~7月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から37.0%増の1974万1172人、2019年同時期と比較した回復率は82.9%。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、リベンジ消費の減退、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとの指摘もある。