自分でやったほうが早い? 「部下に任せられない」上司が会社にはびこる残念な理由
部下を育てるのも上司の仕事の1つですが、なかなか任せられない人も少なくありません。なぜそうなってしまうのでしょうか。著書に『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』などがある漫画家・イラストレーター・グラフィックデザイナーのJamさんが、自身の経験を基に解説します。 【漫画でわかる】部下に仕事を任せられない上司に欠けているもの ■「自分でやったほうが早い」は言い訳 部下に仕事を任せられない上司に欠けているものは、一言で言うと、「覚悟」かもしれません。なぜ仕事を任せられないのか?
理由として多く挙げられるのが、「教える時間がもったいない」「自分でやったほうが早い」「ミスをされると面倒」「部下が頼りない」などです。でも、これらの理由はすべて、自分がちゃんと上司としての職務を果たし、部下を育ててこなかった結果の言い訳です。 確かに、経験豊かなメンバーにだけ仕事を振り、大事な仕事は自分がやってしまえば、失敗するリスクは低いし、仕事を教えるために時間を削られこともありません。しかし、長い目で見れば、部下が成長しないことには、いずれシワ寄せがきます。
部下に任せられたはずの仕事まで抱えることになって、管理者としての業務に支障をきたすほか、仕事を任せてもらえなかった部下もモチベーションがどんどん下がり、それによってチーム全体の士気が下がり、場合によってはやりがいを求めて、早期退職にもつながるでしょう。 人材が育たず若手が辞めていけば、会社にとってはマイナスでしかありません。部下を育てられない上司は、社内での評価も下がっていきます。必要なのは、未熟な部下がミスをしたときに、失敗の責任を負う「覚悟」です。はじめのうちは教えることにストレスを感じたり、部下の失敗にイライラしたりすることもあるかもしれません。
でも、長期的な視点で考えれば、部下が育つことで自分の負担も減り、本来の業務に専念することができます。信頼関係を築くことでチームの士気も高まり、業績にもつながっていくでしょう。 「部下が頼りないから、まだこの仕事を任せられない」と言い続けている上司は、もう一度自分の覚悟を見直してみてはどうでしょう? 今を変えれば、数年後の結果も変わってくると思います。 ■「理想的な上司」はどんな上司? 理想的な上司とはどんな上司でしょうか? 大きく分けて、会社には「怒る上司」「怒らない上司」「怒れない上司」の3つのタイプがいます。今どきは怒らない上司が増えてきましたが、果たしてそれが本当に理想的な上司と言えるのでしょうか?